当センターの圃場にもアカマツ、クロマツ、ゴヨウマツがあり、5月はマツのみどり摘み作業を主に行っています。
マツの新芽は、4月下旬頃から前年の枝先から葉が開かない状態で棒状になって伸びてきます。
この新芽を「みどり」と言いますが、みどり摘みとは、その「みどり(新芽)」を半分から3分の1程度残して手で折ってしまいます。
枝の場所や部位また樹勢によって伸びる長さが違いますが、新芽(みどり)の長さを揃える様に折っていきます。あまり短い新芽は摘まなくても良いです。
また場所によっては、1ヵ所から数本(2本~6本程)の新芽が出てきますので、枝を伸ばしたい方向の芽を残し不要な芽は元から折ってしまいます。
一つの枝先から2~3本にし、Yの字をイメージして残していけば良いでしょう。
みどり(新芽)をそのまま放任しておくと枝が間延びし、樹形が乱れてきてしまいますので、折ってあげる事で枝の伸びを抑えて、また芽数を減らす事で枝数を調整してあげる事ができます。
みどり摘みを行う時期は、みどり(新芽)が10㎝~15㎝位伸びた時期に行います。
当センターでは5月上旬の連休明けから5月下旬に行いますが、あまり早い時期に行うと折った後にまた新芽が伸びてきて効果が薄れます。また遅くなると新芽が硬くなり手で折れなくなってしまいますので、適期に行いましょう。
作業を行う場合は木の上から下、奥から手前と行います。これはどの樹木の手入れでも同じですが、樹木の上部から樹形のバランスを見ながら、また剪定した枝を落としながら行います。手前から作業を行うと、せっかく手入れした枝が折れてたり、マツの場合、折った新芽から松脂がでますので、服がベトベトになってしましますので気を付けましょう。
みどり摘み前(作業前)のアカマツ。みどり(新芽)が元気良く伸びています。 |
みどり(新芽)を手で折っていきます。 |
あまり枝を伸ばしたくないので、1/3程度残し折りました。 |
一つの枝先から新芽が数本出ている場合は不要の芽は元から折ります。 この場合は中心の2本を元から折りました。 |
一つの枝先から2~3本(写真は3本残し)にし、残った新芽を途中で折ります。 |
みどり摘み作業が終わりきれいに?なりました。 |
松の手入れと聞くと難しそうに思うかもしれませんが、みどり摘みはあまり難しい作業ではありませんので、是非挑戦してみてください。
以前ヤニサシガメの記事を書きましたが、今回みどり摘み作業をしている時もサシガメを発見しました。 これはヨコズナサシガメでしょうか。マツの幹に数匹いました。成虫で羽があり木の周りも飛んでいました。 |
(造園樹木 本間)