2017年4月26日水曜日

ナシの受粉

4月も半ばを過ぎ、桜は八重桜が目立つようになりました。

センターのナシも、先週辺りが満開でした。

これは、豊水。葯のピンク色が濃いです。

こちらは幸水。葯は薄いピンク色。豊水より少し遅れて咲きます。

ナシは、自分の花粉では実をつけることができません。そこで他の品種の花粉を使って、受粉を行います。右側の黄色っぽいものが花粉(中国産の雪花梨)で、左側のピンクの粉は増量剤の石松子(せきしょうし)です。石松子は、花粉と比重・大きさがほぼ同じなので、よく混ざります。ヒカゲノカズラという植物の胞子に、食紅で色をつけてあります。

花粉と石松子を混ぜ合わせてから、この毛棒につけて、受粉を行います。

一度つけると、10花ほど、このように葯がピンク色の開いたばかりの花を選んで受粉していきます。
この後は、受粉がうまく行われた実を選別する摘果という作業が行われるのです。

網に引っ掛かっていたスズメを助けてあげました。
元気に飛んで行ってくれてよかったです。

櫻井(果樹・加工)

2017年4月21日金曜日

トマトの収穫

昨年の12月26日に温室に定植したトマトですが、順調に生長し
3月末から収穫が始まりました。

こちらは千果(タキイ種苗)。ミニトマト。果実はツヤのある鮮やかな赤色をしています。


イエローミミ(カネコ種苗)。こちらもミニトマト。
カタログには“食味良好で鮮やかなレモンイエローに着色します”とあります。
千果とミックスで出荷調整します。
シンディースイート(サカタのタネ)。中玉トマト。
カタログによると果重35~40g程度で中玉トマトとしてはやや小ぶりな品種です。


こちらは、大玉トマト。
上から順に大安吉日(ナント種苗)・桃太郎ピース・桃太郎ヨーク(タキイ種苗)。
果実だけだと見分けがつきませんね。
大安吉日と桃太郎ピースは黄化葉巻病(TYLCV)に安定した耐病性を示す品種、
桃太郎ヨークは高温期でも着果が安定し、作りやすく食味も良い品種です。
大玉トマトもミックスで出荷調整します。


トマトの分類ですが、日本では生食用の場合、
果重200g前後を大玉トマト、果径2~3㎝程度で果重20~30gをミニトマト、
これらの中間で果径5㎝程度、果重50~100g程度を中玉トマトと区別しているようです。

トマトは各々の種苗会社が力を入れて新品種育成に努めている野菜で
とても品種が多いのです。
私たちは育てやすさや耐病性、食味の良さなどを重視して品種を選んでいます。



大玉トマトは袋詰め、中玉トマト・ミニトマトはパック詰めの形で緑楽来に出荷します。


(蔬菜作物 山崎)

2017年4月14日金曜日

ツバキ(その2)

こんにちは。
  すっかり暖かくなり、このブログの原稿を書いている頃はソメイヨシノが満開で、お花見に行かれた方もいらっしゃるのではないかと思います。
 今回の内容はサクラではなく、前回の続きで、その後咲き始めてきたツバキをまた紹介します。


孔雀椿(クジャクツバキ)
葉が細長く、枝が枝垂れる様な樹形になります。




黒侘助(クロワビスケ)
別名 '永楽’ とも言われ、花は紅色の色素が濃く暗紅色です。


式部(シキブ)
唐子咲きで、こちらも変わった咲き方をします。


光源氏(ヒカルゲンジ)
ちょっと本来の花色ではない様です。枝変わりした紅色の花は '紅牡丹’ と言われている様ですが・・。


名月(メイゲツ)
白一重、筒咲きです。


ダーロネガ
アメリカ産で、千重咲き。花は黄色をおびた乳白色です。
ダーロネガとはアメリカ先住民の言葉で金のでた山の名で黄金の意と言う事らしいです。

などなど。
まだフィールドセンターには何品種かありますが、また機会があれば紹介したいと思います。

 ツバキはツバキ科ツバキ属の常緑中~高木で、日本産ツバキの原種には、一般的に見られるヤブツバキ、日本海側の多雪地で見られるユキツバキ、屋久島や沖縄に分布するリンゴツバキがあり、材が堅く緻密で、磨くと光沢が出て櫛や箸、お椀、玩具などに用いられ、枝葉を燃やした後の灰は、紫染めの媒染剤として利用されている様です。また皆さんご存知の種子からはツバキ油が採れ、古くから有用樹として利用されてきました。
 江戸時代に入ってからは観賞用として多くの園芸品種が作られ、現在でも多くの愛好家がいる様です。
 
 ツバキは、花の落ち方が花形ごとボトっと落ちる事や、チャドクガという有毒の毛虫が付く事から庭に植える事は嫌う人も多い様ですね。

 フィールドセンターでは4月中旬位にはそろそろ花も見納めになり、また来年の開花に向け、剪定とチャドクガ防除の管理作業が始まります。

参考文献:椿 色分け花図鑑 桐野秋豊著 学研

(造園樹木  本間)