2019年12月27日金曜日

ヒヨクヒバの剪定


 ヒヨクヒバはヒノキ科の常緑針葉樹で、サワラの園芸品種で糸のように枝先が垂れて伸びるのでイトヒバとも言われます。

 写真1のヒヨクヒバは昨年剪定を行っておらず、枝葉が茂って樹冠内部に日が当たらず内部の枝葉がだいぶ枯れ込んでしまっています。
 樹形を大きくしたい場合は内部の枯枝、立ち枝、絡み枝などを取り除きながら樹形を整えていけば良いですが、ほとんどの針葉樹類は枯れ込んだ枝や太い枝からは萌芽はせず、また強く剪定すると枯れ込む場合があるので、樹形を維持したい場合は毎年剪定を行うのが良いでしょう。
 
1.剪定前の状態
枝葉が茂り鬱蒼としています。
2.剪定前の枝先部分
だいぶ枝葉が密集し茂っています。
3.写真2の樹冠内部の状態
枝葉が密集して内部に日が当たらず、枝葉が枯れ込んでしまっています。


4.枝先の剪定後1
内部の枯枝を取り除き、不要な枝を間引きました。
5.枝先の剪定後2
あとは残した枝の枝先が長い場合は短くなるように詰めていきます。その時枝先が枝垂れる様に整えます。

6.剪定後
すっきりときれいに?なりました。
枝葉が密集し剪定は難しそうにみえますが、枯枝をきれいに取り除き、密集している部分を間引きながら短めの枝を残すようにし長い枝を切り返していきます。間引く時は外側に向かっている枝でYの字になるイメージで必ず枝が分岐している所できれいに間引いていきます。
 また強剪定はせず、あとは枝が枝垂れる様に整えていけば良いでしょう。


(造園樹木 本間)

2019年12月16日月曜日

赤カブの収穫・調整

冬12月になりました。今回のブログでは赤カブの収穫・調整を紹介します。
これは畑の赤カブです。播種後55日くらいで収穫になります。赤カブとは表面が赤くなるカブの総称で品種名は“本紅赤丸蕪”といいます。 


これは収穫適期の赤カブです。根部の直径は10㎝位の中カブとして利用されます。

これは収穫した赤カブです。葉は15㎝位に切り縮めて、根の先端を切り縮めています。



収穫した赤カブは洗浄します。

洗浄した赤カブです。赤色が鮮やかになります。

洗浄したものを3株まとめて1束にします。1束は150円で直売所で販売します。売れ行きにもよりますが、この赤カブは12月末まで収穫・出荷しています。

                                         (蔬菜・作物 中村)


2019年12月12日木曜日

冬夏青青

寒くなってきました
陽ざしの温かさが 身に沁みます

紅葉もいいですが
冬晴れの青い空には 常緑樹の緑が映えます

午後も半ばを過ぎると 冷え込んできます
あっという間の 夕暮れ
時間は貴重です


『冬夏青青』

今年もせん定の季節を迎えました

一年の生長を観ながら
樹と向き合う時間(とき)となります


(果樹加工 むらた)



2019年12月5日木曜日

メロンのあとは青梗菜と・・・

今年も秋の抑制メロンをヤシ殻培地の養液栽培で行い、
先日収穫も終わり、片づけを始めました。



このハウスは春の(3月)メロン栽培が始まるまで、養液栽培の設備に
空きがあるので、昨年はその期間にチンゲンサイを試験的に栽培しました。

メロン栽培あとのヤシ殻培地を消毒することなくチンゲンサイを収穫まで
栽培できたので、今年は昨年より播種量を増やして、収穫期がずれるように
2回に分けてチンゲンサイの栽培を始めたいと思います。

また、シュンギクの古種が残っていて、もったいないので、
今年はシュンギクの養液栽培にもチャレンジしたいと思います。

こちらは、チンゲンサイの種子です。


このように丸くて小さく(直径2㎜くらい)、本来は種皮が茶色ですが、
この種子は青く着色してあります。


セルトレイに播種します。昨年は200穴のセルトレイでしたが、
少し徒長ぎみでしたので、128穴にしました。

1穴1粒播きです。
種子が青色に着色しているので、土に播いた時に種子が分かり易く、
播き損じ無く播種できます。

こちらは、シュンギクの種子です。


チンゲンサイと対照的にゴツゴツしています。
こちらも1粒2~3㎜程度の大きさです。


セルトレイに播種します。
培養土に含まれるキラキラ光っているバーミキュライトと似ていて、
何粒播いたの分かり辛いです。

今回は古種ですので5粒播きにします。
5粒も播くの?と思われますが、この種子は有効期限が2012年の種子で、
冷蔵庫で保存していましたが、はたして何粒発芽するのか分かりませんので、
多く播いて間引く予定でいます。

チンゲンサイは土の水分や温度条件が良ければ
播種後2日くらいで発芽し始めますが、

シュンギクはどうでしょう?

次回のブログでご報告する事にします。

(蔬菜作物 榎本)








2019年11月30日土曜日

冬の足音

11月も半ばを過ぎ、朝晩は気温が低くなってきました。
果樹部では、カキ・キウイの収穫をしています。

平核無です。渋カキなので脱渋します。

ヘタの部分にホワイトリカーを浸けます。

このようにしっかり浸けないと、脱渋がうまくいきません。

このように樽に並べていきます。

ある程度並べたら、ビニール等で密封して保存します。
昨年までは10日前後で樽出しを行ってきましたが、今年は7日で出すようにしました。やわらかいカキよりもかたいカキの方が人気があるようです。

樽から出したカキは傷み等がないか選別します。

このように袋詰めして販売しています。
甘柿の次郎は果肉がかたいので、平核無より取扱いが楽です。
収穫中のキウイも、選別をして貯蔵します。
1年は本当に早いです。
櫻井(果樹・加工)

2019年11月22日金曜日

カリーノケール

前回、Qナッツの記事を書いた時点では
再び台風が襲来して大きな被害を
及ぼすとは考えてもみませんでした
台風19号により被災された方々には
慎んでお見舞い申し上げます

*閑話休題*

緑が少なくなる季節ですが
温室の中では葉物野菜が青々と育っています


今回、紹介するのは「カリーノケール」という野菜です
 名前の通り、ケール(青汁の材料として有名です)の一種ですが
青臭さや苦みが無く、生でも食べられます
葉がフリル状になっているので
サラダの彩にも良いと思います
実際、直売所では「サラダケール」という名前で
売られていたりします

今、栽培している品種は
「トキタ種苗」の「カリーノケール・ミスタ」
カリーノケール・ロッソ(赤)
カリーノケール・ヴェルデ(緑)のミックス
種袋



葉を掻いて、重さを量り、袋詰めし
ラベルを貼った状態がこちらです
不定期ですが
緑楽来にも出荷していますので
見かけたら試してみてください


(蔬菜作物 山崎)

2019年11月17日日曜日

今年もこの時期が・・ -マツの手入れ-

  毎年11月中旬位から翌年2月いっぱい位までマツの手入れ作業に追われます。今年もその時期がやってきましたので、他の管理作業がない時や雨の日以外はマツの手入れを行っています。
 
 今行う作業は、込みあった枝を剪定する「枝透かし」と枝の基部の古い葉と今年伸びた枝に付いている葉を枝の下の方から少しむしり取る「もみあげ」、「枯れ葉、枯れ枝」を取り除く作業になります。

写真1.クロマツ(左側)とアカマツ(右側)

写真2.枝透かし、もみあげ前(クロマツ)

写真3.枝透かし、もみあげ後(クロマツ)

写真4.手入れ前(クロマツ)

写真5.手入れ後(クロマツ)

  写真1は5月に緑摘みという作業を行って樹形は維持されていますが、枝や葉が生い茂り鬱蒼とした状態です。

 写真2と写真3は枝透かし、もみあげ前と後の枝先部の状態ですが、まん中の枝を剪定し枝の基部周りの古い葉をむしり取りました。

 写真4と写真5はもう少し引いた写真ですが、写真4は枝が込みあい葉が生い茂り鬱蒼としていますが、枝透かし、もみあげを行い写真5の様にすっきりとした状態になりました。


(造園樹木 本間)


2019年11月6日水曜日

今年のサツマイモ

秋になりました。秋といえばサツマイモです。今年は新しい品種を栽培してみました。
“ベニマサリ”という品種です。10月9日に学生実習で収穫しました。


収穫後、10~14日くらい収納舎で追熟させた後、大きさ別に選別します。以下の画像は大きさの基準で、これは小で200g以下のものにしています。
500g以下は中になります。  
 500g以上になると大になります。
 さらに1000g以上になると特大になります。
直売所などで販売する場合は小や中の組み合わせで3~4本、重さで1000g台にしています。また大や特大は1~2本で販売します。
袋詰めにした状態です。直売所では1袋200円で販売しています。

サツマイモの“ベニマサリ”は品質は「ほくほく」と「しっとり」の中間で売れ行き次第で12月まで直売所で販売しています。

                                          (蔬菜・作物 中村)

2019年11月1日金曜日

干し柿

熟々になると 甘い渋柿ですが
商品として流通させるには “脱渋” が必要です

甘さの凝縮した “干し柿”は
昨今かなりの人気かと

センター栽植の『蜂屋』
古より 
岐阜県美濃加茂市で栽培されてきた渋柿です

樹齢 30余年
着果部位も高所につき
「高枝切りはさみ」で枝つきの収穫

皮をむくと
壊れた細胞から “タンニン”が溶け 被膜をつくります
この被膜により 呼吸できない状態となります

すると
糖分が分解し アルコール発酵が始まり
発酵により “アセトアルデヒド” がつくられ
渋みの成分 “タンニン”と結合し
不溶性となり 渋みを感じなくなります^^

どんなきっかけからなのか 想像は膨らみますが
とにもかくにも
先人の知恵のおかげです

(果樹加工 むらた)




2019年10月25日金曜日

新米販売中です!

今年は7月の梅雨が長く、8月は猛暑日が続きましたが、
センターの水稲栽培は順調に生育し、9月の刈り取り時期を迎えました。


栽培しています品種は、「コシヒカリ」です。


学生実習で5月に田植え、7月に追肥をし、9月に稲刈りを行い、
学年によっては、田植えも稲刈りも乗用の機械(田植え機、コンバイン)を使用します。


下の画像はセンターの水田で、9月4日の様子です。
9/4

生育が綺麗に揃い、稲も立っていて、
コンバインでの刈り取りがやり易い状態です。

しかし・・・台風15号が上陸しました・・・。

9/9

あちゃ~、稲がべったり倒れ、稲穂が濡れてしまっています。
ここまで倒れていると、コンバインでの刈り取りは困難です。
ましてや、機械の操作が慣れていない学生にとっては厳しいですね。
稲刈り実習は9月12日、晴天が続き稲が乾くのを待つのみです。

9/12

刈り取り当日、しばらく晴天が続いたので、稲が立ち上がろうと
地面から少し浮いています。

これならコンバインで刈り取れます!。

実習は予定通り行いましたが、やはり稲が倒れているので時間がかかりました。

下の画像は、コンバインで刈り取られ脱穀された籾を
軽トラックへ移している様子です。


刈り取り後は、籾を乾燥機へ移して水分を15%に調整し、
籾摺り機で玄米にして、30kgの袋詰めの状態で保存します。

収穫されたお米は、センター直売所「緑楽来」で販売しています。
下の画像左が白米、右が玄米で3kg詰めで1200円です。
パッケージには、5月の学生実習での田植えの様子(手植え)を使用しています。


ちなみに、センターの水稲栽培は、田植え後に一度だけ除草剤を使用し、
その後の栽培期間中に農薬の使用はありませんので、安心して
お買い求めいただけると思います。

お試しサイズに、3合入り(450g)の販売もしていますので、
緑楽来へお越しの際は是非、ご検討ください。

(蔬菜作物 榎本)