2020年2月28日金曜日

チップバーン

養液栽培の温室の様子です
今年の冬はとても暖かいので
葉物野菜もよく育っているのですが…問題がないわけではありません
 こちらはパクチー

葉の縁ををよく見てみると
茶色く枯れているのが分かります

これはチップバーンという生理障害によるものです

チップバーンとは葉の中心部組織の細胞壁が
カルシウム(Ca)欠乏により崩壊し、壊疽状態になる生理障害のことです
障害を受けた部位が、焼けたような(burning)症状になるので
この名が付けられたようです(別名「縁腐れ症」)

培養液中のCa濃度が十分であっても
様々な要因によりチップバーンは発生します
養液栽培は一般の土耕栽培より生長が早いため
(栽培している野菜によりますが)チップバーンを起こしやすいようです

やっかいなのは植物体がある程度大きくならないと
判明しないこと
調整の際に枯れた部位を取り除くのはなかなかに大変です

養液栽培においてチップバーンの抑制は
大きな課題になっているようです

(蔬菜作物 山崎)



2020年2月21日金曜日

樹木観察 ~樹皮~その1


  樹木の樹皮はそれぞれ個性があり、特徴的な個性のある樹皮については、樹皮を見ただけで同定できるものがあります。また樹皮の特徴は特に落葉期の樹木の識別に有力な情報となります。
  しかし樹齢や生育環境また個体により樹皮の特徴が変わる樹種もあり、若木、成木、老木やいろいろな場所でそれぞれの個体を注意深く観察しなければなりません。

  樹皮の特徴を大きく分類すると、
・滑らかな樹皮
・鱗片状に剥がれる樹皮
・縦に剥がれる樹皮
・縦に裂ける樹皮
・横縞がある樹皮
・皮目(ひもく)が目立つ樹皮

  などに分かれます。

  今回は当フィールドセンターに植栽されている樹木の中から、滑らかな樹皮の樹木を何樹種か紹介したいと思います。

 各写真の樹木名は最後に書いてありますので、皆さんも当ててみてください。

写真1.滑らかと言うより樹肌はつるつるしています。少し白みがかります。落葉樹です。
写真2.灰白色で滑らかです。落葉樹です。
写真3.灰褐色で滑らかです。若い木は少し緑色を帯びます。常緑樹です。
写真4.灰白色で滑らかです。常緑樹です。
写真5.灰白色で少し皮目が見られます。落葉樹です。
写真6.灰黒色で皮目がありざらつくものもあります。常緑樹です。

写真7.灰白色で滑らか。老木になると不規則に剥がれます。落葉樹です。

  写真1.の特徴ある樹木以外は、なかなか樹皮だけでは同定する事が難しいかもしれませんね。実際には葉の形やつき方、樹形や枝ぶり、花や実、芽の形やつき方、そして樹皮などを見ながら同定していきます。

(正解)
写真1:シマサルスベリ、写真2:ハクウンボク、写真3:モチノキ、写真4:クロガネモチ、写真5:ホオノキ、写真6:シラカシ、写真7:ハクモクレン

(造園樹木  本間)


2020年2月6日木曜日

トマトの日常管理

立春は過ぎましたが、まだ寒い日が続いています。この時期の温室では養液栽培でトマトを栽培しています。今回のブログではトマトの基本的な管理を紹介します。



まずは果実の着果をよくするために花房に「ホルモン処理」を行います。画像はホルモン処理の適期の花房です。 

 ホルモン処理は植物調整剤のトマトトーンを50~100倍に薄めてスプレーで散布します。処理した後の目印になるようにトマトトーンに食紅を添加します。上の2枚の画像は散布後で乾いても赤い跡が残ります。



上の画像は処理後約10~14日の花房の状態です。処理後は数日で花房がぐっと大きくなり始めます。 ホルモン処理をすることにより、受精やその後の果実の生育は促進されます。




 
また誘引は今までは麻紐を直接、茎に巻きつけていましたが、この作型からは紐に白いクリップのような「くきたっちアルファ」をつけて、誘引をしています。



トマトは開花後、約60日くらいで収穫になります。この作型では気候や気温にもよりますが3月中下旬からの収穫になります。
                                    (蔬菜・作物 中村)