2017年12月28日木曜日

トマトの病害


9月に定植したトマトのハウス。
一見、順調に生育しているようですが…


トマトの葉をよく見てみると…
なにやら白い斑点がポツポツと…

これは「うどんこ病」の症状です!
「うどんこ病」はトマト・イチゴ・カボチャ・キュウリなどに発生する
一般的な病害で、葉にうどん粉(小麦粉)をまぶしたような
白いカビが生えるという特徴があります。

被害が進むと葉全体が白いカビに覆われ、光合成が抑制されます。
そのため、植物の生育が悪くなり収穫量にも影響が出てきます。

普通の病気は湿度が高い条件で発生しますが
「うどんこ病」は雨が少なく曇りの日が続き、やや乾燥気味になると発生します。
また、肥料の与えすぎで葉が茂ったり、密植により日当たりや風通しが悪くなると
一気に広まります。

被害を受けた葉をそのままにしておくと、カビの胞子が風で飛び、
どんどん周りの株にも伝染してしまいます。

予防方法としては、トマトの蔓を適切に誘引して
風通しが良くなるよう小まめな芽搔きや葉掻きを行うことが重要です。
脇芽を搔いた状態

今回はかなり広がってしまったので、薬剤散布を行いました。
なんとか収まって欲しいものです。


(蔬菜作物 山崎)

2017年12月22日金曜日

マツの手入れ ~枝透かしともみあげ~

  5月のブログにマツの緑摘みについて紹介しましたが、もう一つマツの手入れで大事な作業があります。それは今の時期(晩秋の頃)に行う、もみあげという作業です。

  今の時期になると、春から伸びた枝が混み合って鬱蒼としてきます。また古い葉が茶色くなり見苦しくなって、このままにしておくと枝の内部に光がいかず、枝が枯れ込んできてしまいます。また鬱蒼としていますのでマツケムシなどの害虫が越冬しやすくなります。

  そこでもみあげといって、それぞれの枝に付いている下部の古い葉を1/2~2/3程度手でむしり取ってあげます。また混み合っている枝は枝透かし剪定を行いながら手入れをしていきます。枝透かし剪定は、枝がYの字になる様に、真ん中の長く伸びた枝を分岐している所から剪定してあげます。

  先日別科生の実習でタギョウショウ(多行松)のもみあげと枝透かしを行いましたので、下の写真でもう一度、方法を説明します。

作業前(手入れ前)のマツ(タギョウショウ)です。

だいぶ枝が混み合ってきています。また枝の下部の葉は茶色くなって見苦しいですね。

そこで茶色い葉はすべて落とし、枝の下部の葉を1/2~2/3程度むしり取ります(赤丸部分)。

下葉をむしり取った状態です。

混み合っている枝は、真ん中の長い枝を剪定します。

こんな感じで、Yの字になる様に枝を透かしていきます。


一本一本、全部の枝の枝透かしともみあげが終わったら、箒などで上部の枝に引っ掛かっている葉を落として掃除していきます。また樹皮が剥がれる所は剥がしてしまいます。

下の幹の部分も綺麗にして・・。

作業終了です。
枝の内部まで光が届く様になり、綺麗になりました‼
一番上の写真と見比べてください。


  樹皮を剥がすのは、アカマツの綺麗な樹肌を見せてあげる為でもありますが、ケムシなどの害虫が樹皮の間で越冬出来ない様にする為でもあります。

  タギョウショウはアカマツの変種で、幹の下部から枝が多数出て傘を開いた様な樹形になり大変綺麗なマツです。
  もみあげと枝透かし剪定は手間の掛かる作業ですが、それらを行うことによりマツらしい品のある姿になります。



(造園樹木  本間)

2017年12月15日金曜日

カリフラワーとハクサイ

12月になりました。日に日に寒さが厳しくなりますが、露地の野菜は収穫が続いています。


今回のブログではカリフラワーとハクサイを紹介します。

画像はカリフラワーを栽培している全体部分です。




カリフラワーは蕾(花蕾)の部分を食用に利用しています。以前は蕾の色が白のみでしたが、最近では紫やオレンジのものも出回っています。



画像は蕾の白い品種で“スノークラウン”です。
花蕾の大きさは手を広げて、少し小ぶりくらい(直径で15㎝くらい)のものを収穫します。


画像は蕾の紫の品種で“バイオレットクイーン”です。

画像は蕾のオレンジの品種で“オレンジブーケ”です。




カリフラワーに限らず、野菜には多くの品種がありますが、それぞれの特徴を表現した品種名がつけられています。


この画像はハクサイです。普通に見かける結球(外葉が丸く覆われる状態)するハクサイで、品種名は“さとぶき622”です。
この画像は同じハクサイですが、結球のゆるい状態(半結球状態)のハクサイで、品種名は“新あづま”です。このハクサイの特徴は葉の水分が多く、漬物を作るのに向いています。






この時期に収穫のカリフラワーやハクサイは、カリフラワーは年末まで、ハクサイは年を越して1月いっぱいまで収穫・出荷します。




寒くなっても、直売所の野菜コーナーは賑やかです。
 

                                           (蔬菜作物 中村)
 

 







2017年12月6日水曜日

柚子とゆず湯

もうすぐ ‘冬至’

寒い夜には
温かいお風呂が一番^^














そんな時
浮かべたいのが
‘柚子(ゆず)

ミカン科の常緑樹
冬至ではカボチャとセットで
欠かせない果実です
















柚子の管理で厄介なのが 
‘棘(とげ)’
葉が変化したものと云われています

ケガや果実の保護からも
可能な範囲で切っておきます

















葉にも特徴があります

広がった葉柄部分は
翼葉’ と呼ばれ
他のミカン類と異なっています
















果実や果皮だけでなく
種子には ‘リモノイド’という
苦味成分があり
色々な効能があるようです















果皮の鮮やかな黄色は
薬味でも、料理の彩にも映えます
















血行促進
 風邪予防
  美肌効果・・・、
などなど

効能を想像しながらの
入浴は芯から温まります


















湯気ごしに漂う香りは
心も躰もほぐしてくれます

‘ゆず湯’
邪気払いや
語呂遊びなど
云われは諸説あるようですが
続けたい風習です




















師走に入り
慌ただしくなってきました














疲れがちな毎日
ゆっくりと
柚子の効能に浸りたいものです

(果樹加工 むらた)