2018年8月31日金曜日

サルスベリとシマサルスベリ

  8月ももうすぐ終わりだというのに暑い日が続きますね。
現在当センター内ではサルスベリとシマサルスベリが咲いています。

  サルスベリは中国南部原産、ミソハギ科サルスベリ属で高さ3m~9mになる落葉小高木です。7月~9月にかけ枝先に円錐花序の花が次々と咲き、開花期が長いことから別名「百日紅」とも言われます。樹皮は淡褐色で幹の肥大成長に伴って毎年剥がれ落ち、幹はなめらかになります。花色は下の写真のピンクのほか、白、紫、濃紅などの色があります。

サルスベリの花1
サルスベリの花2

サルスベリの樹肌と剥がれ落ちる樹皮

  シマサルスベリはミソハギ科サルスベリ属で中国中部、台湾、奄美諸島、沖縄に分布し、高さは10m~20mになる落葉高木です。
  サルスベリと比べると、葉が少し細長く先が短く尖り、開花時期は7月~8月で短く、花は白色で小さく華やかさは欠けます。樹皮が剥がれ落ちたあとは灰白色で、幹は直立し、大木になるほど幹がうねり美しいので、剪定をせず自然樹形のほうがよいでしょう。
 亜熱帯原産なので若干寒さには弱いですが、関東北部までなら育ちます。

シマサルスベリの花

シマサルスベリの樹肌

(造園樹木 本間)


2018年8月21日火曜日

ジャガイモの選別や貯蔵

暑い日が続きますが、今回のブログでは7月に収穫したジャガイモの調整や選別、貯蔵の状態を少し紹介します。


土を軽く落としたジャガイモは画像のように、大・中・小と大きさ別に分けます。コンテナには多くても八分目くらいまで入れます。品種はキタアカリです。

今年からは小よりも小粒のものを「粒」として、分けています。


大きさ別に分けて、コンテナに積めたものは、「中」や「小」「粒」から冷蔵庫で貯蔵します。「大」から」直売所で販売します。大きさや品種がわかるように、コンテナにはメモを張ります。





今年はジャガイモを8品種、栽培しました。前回のブログで4品種を紹介しましたが、今回は残り4品種を紹介します。







まずは“メークイン”です。大正時代にアメリカから導入された品種で、煮崩れが少ないため、煮込み料理に向いています。



これは“ニシユタカ”です。その名の通り、西日本に栽培の多い品種で、こちらも煮込み料理に向いています。


これは“アンデス赤”です。アンデスやアンデスレッドなどの名称でも販売されています。ポテトサラダに向いています。前回、紹介した“ノーザンルビー”と同様に表皮が赤い品種ですが、中身は黄色い品種です。


これは“はるか”です。センターで栽培している品種の中では登録が2009年と最も新しい品種です。いろいろな料理に向いていますが、肉質はやや粘質です。






8~9月にかけては、ジャガイモは直売所での貴重な出荷物になります。8月中旬の現在では“インカのめざめ”や“ノーザンルビー”は販売終了しましたが、残り6品種は直売所で変わらず、出荷しています。                                  
                                          (蔬菜作物 中村)



2018年8月17日金曜日

野生動物と電気柵




予算の厳しいフィールドセンターですが
緑と果実類は豊富です

野生動物にとって いごこちのいい場所かと
収穫期の‘幸水’

たくさんの鳥や動物が
エサを求めて集います

鳥は 防鳥網で防げますが
網をくぐり抜け 侵入してくる動物がいます
食べられた‘幸水’

樹や棚も登ることが出来
果実を食べてしまう動物
袋を破られ、食べられた‘巨峰’

犯人は
ナシやブドウなど 果実を好物としている
ハクビシン

江戸時代に持ち込まれた記録のある 外来種で
鼻筋が白い外観から
“白鼻芯”と呼ばれるようになったとか
センター内側溝の‘ハクビシン’ 夜間撮影のため眼が白い

被害の多い
ナシとブドウの圃場には
電気柵を設置しています

7月~9月の3か月ほど

電気柵のパワーユニットです

光センサー内蔵で 夜間を重点に通電し
高電圧のパルス電流により
触れた時のショックで侵入を防ぐ装置です

殺傷能力はないため
慣れたりすると効果が低下します

設置には
まず 対象圃場周囲の草刈りをします

通電する線を支える支柱を
等間隔で立てます

管理上必要な通路を確保し 線を張ります
侵入可能な部分は塞いでいますが
結構侵入しています^^


参考までに
センター在住の動物たち
調査用に設置したカメラの画像です

ノウサギ

タヌキ 
結構いますが 樹に登れないため
ナシやブドウはセーフです

アライグマ
 
ハクビシンといっしょで
樹に登り ナシやブドウを食べます

イタチかと

大柄なハクビシン

深さ70cm程の側溝と同じくらいの体長です

毛並のいい クロネコ

付近の飼い猫かもしれません



各地で野生動物による被害が問題となっています

電気柵は侵入防止の一手段ですが
捕獲や環境整備など
総合的な取組みが必要なのかと




(果樹加工 むらた)

2018年8月10日金曜日

緑肥作物で土づくり

今年はセンターの露地圃場の一部に、緑肥作物のソルゴーを栽培しました。


このソルゴーはイネ科植物で、圃場に余分に残った肥料分を吸収し、
短期間でグングン育ち、圃場に鋤き込むことで多量の有機物を投入でき、
土壌改良に役立ちます。


画像はソルゴーの栽培風景です。
5月中旬に播種し、そろそろ雄髄(穂)が出てくる頃です。




雄髄(穂)が出てしまうと幹が硬くなるので、そろそろ圃場に鋤きこみます。
このままトラクターで耕耘してしまうのも良いのですが、センターでは、
フレールモアというアタッチメントをトラクターに取り付けて、
ソルゴーを細かく粉砕してしまいます。


粉砕する事により、圃場に鋤き込んだ後に早く分解するので、
次の栽培まで短期間で済みます。


このフレールモアは、耕耘をするロータリーの爪のように回転軸に
「フレール刃」と言う刃が高回転で回転し、植物を粉砕しいていきます。

粉砕が終わるとこんな感じです。サッパリ!



今年の晴れの日では、翌日には下の画像のように乾燥します。


4日後、残りのソルゴーも粉砕しました。



圃場がこんな色合いになりました。
奥は耕耘した後で、土の色で茶色く見えます。
真ん中は4日前のソルゴーで、
手前は粉砕したばかりのソルゴーです。

手前の粉砕したてのソルゴーも乾燥後トラクターで耕耘し、
8月下旬に定植する秋作のアブラナ科野菜(キャベツ、ブロッコリー等)
の栽培に備えます。

(蔬菜作物 榎本)











2018年8月5日日曜日

葡萄の季節

もうすぐ8月。
センターの葡萄は、雨不足の影響が多少ありましたが、何とか生長しています。

最初に収穫時期を迎えるのがバッファローです。ジベレリン処理を行うと、このように粒の先が尖って高級感がでます。

これはサニールージュです。赤系の葡萄は着色させるのが大変です。

こちらはブラックビートです。名前の通りさらに黒くなります。巨峰系のなかでは着色しやすい品種です。巨峰より一足早く収穫となります。

これはハニービーナスです。熟しても黄緑色です。甘味と酸味がちょうどよい品種です。

こちらはゴルビーという品種です。赤色系の葡萄で、着色させるのがやはり大変です。

これはピオーネです。黒色系のなかでは着色しにくい品種です。

こちらはシャインマスカットです。皮ごと食べられる品種として人気があります。
他に、ナイアガラ(緑)・ウィンク(赤)・伊豆錦(黒)・アレキ(緑)・巨峰なども順調に育っています。
次の機会に紹介します。

櫻井(果樹・加工)