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2023年4月14日金曜日

春の準備~キュウリの接ぎ木と鉢上げ~

 桜が咲いたと思ったら
 あっという間に散ってしまいました

ずいぶん暖かくなり
そろそろ一般のご家庭でも
家庭菜園の準備を始められる頃でしょうか

当センターでは
野菜苗も栽培していますが
その一つ、キュウリの苗について
紹介したいと思います

4月中旬~下旬に出荷予定のキュウリ苗は接ぎ木を行っています
3/20に台木、3/22の穂木(キュウリ)を播種、


 3/29に接ぎ木を行いました(キュウリの品種はフリーダムハウス3号)

 キュウリに接ぎ木についてはコチラをご覧ください
 https://kajusosai1.blogspot.com/2016/09/blog-post_43.html

 接ぎ木苗を72穴セルトレイに挿した状態

接ぎ木から2週間後の様子
本葉がかなり大きく生長してきました

この苗を3号(9㎝)ポットに鉢上げしていきます

鉢上げ後

こちらのキュウリ苗は緑楽来での販売を予定しています
キュウリだけでなく他の野菜苗も出荷しますので
どうぞ、覗いてみてくださいね

以前紹介した茎ブロッコリーですが
現在、綺麗な花を咲かせています

(蔬菜作物 山崎)


2017年6月22日木曜日

果樹の接ぎ木

 モモクリ3年、カキ8年・・・、
種を播いてから実がなるまでの
年数の例えですが

昨今、果樹の苗木のほとんどは
「接ぎ木」によるもので
2~3年で結実し
早々の食味が可能です^^



クリの雌花、後方は雄花




「取り木」「挿し木」など
果樹を繁殖させるにはいろいろとありますが
「接ぎ木」について少々・・・、



接ぎ木終了



まずは‘穂木’の保蔵です

休眠期に採取し
湿らした新聞などで包み
ビニールで密封
低温(冷蔵庫など)で保管しておきます



接ぐ枝を「穂木」(ほぎ)、「接ぎ穂」(つぎほ)などといいます


‘台木’も同じくらいの太さがあれば大丈夫

時期は台木の芽が動きだしたら適期です
接がれる側を「台木」(だいぎ)といいます


つぎに、よく切れるナイフを用意

今回のような‘切接ぎ’には
‘切り出しナイフ’を使います

よく研いでおきます



接ぎ木とは
穂木と台木の‘形成層’を密着させる技術です
接着面が平らになるように切るのがコツです


削った穂木は乾かないよう
水を張ったバケツに入れておきます


切断面外側よりおおまかに、表皮・形成層・木部となります


今回の穂木はりんごの‘M9長野’
台木は‘マルバ’です




台木を接ぐ予定の高さ(10cm)で切ります



クリなどは耐寒性を考慮し
かなり高い位置で接ぐ場合があります



穂木の断面に合わせ
台木を切り込み密着させます




仕上げのポイントは、固定です

接ぎ木用のテープでしっかりと固定します
動かないよう、
雨水が入らないよう、

穂木の頂部切断面には‘癒合剤’を塗布します


接ぎ木での‘活着’
台木と穂木との切断面に形成される
‘カルス’の癒合によってはじまります

活着していれば、しばらくして芽が動きます



接ぎ木の利点のひとつは
すでに生長している植物(台木)から
養水分の吸収能力のある根系を利用できるため
活着後の生育が旺盛となることです



現在では、接ぎ木用のテープがあり
接ぎ木は難易な技術ではありません

古(いにしえ)のテープが無かった時代
先人の苦労が想像できます



接ぎ木は苗木の繁殖のみでなく
病害虫への抵抗性を向上させたり
品質を向上させたり
いろいろな効果を期待できます

カキの品種、‘平核無’に‘大核無’を芽接ぎ






枝ごとに異なった品種の果実を着けたり
楽しみながらの利用もいいかと

(果樹加工 むらた)





2016年10月12日水曜日

ヤマナシの木

今年もたくさんのヤマナシが実りました。


















松戸から柏に移転した2年後(2000年)、
ナシの台木の採取樹として植えた、ヤマナシ(ニホンヤマナシ)の樹です。


フィールドセンター本館の通路脇に植栽されています。




フィールドセンター本館
3階建屋と同じくらいの
樹高です。











ヤマナシは、バラ科ナシ属の落葉樹で、栽培種のニホンナシの原種とされています。


古に中国から渡来したという説、日本固有の説などがあり、はっきりしていません。
各地で自然交配した様々な品種が自生していて、これらを総称してニホンヤマナシと
呼んでいます。




一つの果そうには、
1~4個の果実が着いて
います。












果実を割り、食べてみました。


じゃりじゃりとした食感、甘さはあまり感じませんが、糖度は17.3度もありました。
栽培種と変わらない数値です。
酸度(pH)は3.3、酸味も感じますが、渋みえぐみを強く感じました。

野生の味でしょうか^^




心室数は平均3つ、
種子は2~5個
(しいなも3~5個)と
まちまちです。










栽植時、ヤマナシの他にマメナシ、アオナシなど7種、各々2本づつを植えました。
この時植栽のほとんどは本館施工のため、伐採となりました。


ウメ圃場の一角に植えた一本が、現在に至ります。


















‘農場’から‘センター’へ、
様々な変遷を潜り抜け、すくすくと育ち、
いつの間にかこんなりっぱな大樹となりました。




今年、春先の満開のヤマナシです。
         2016.04.20 撮影

















通行する人たちが、立ち止まり、見上げ、シャッターを切ったりと、
晴れやかなひと時でした。


















何かと慌ただしい毎日、
実習やあれこれ管理作業を終えて本館に向かうと、
のんびりとたたずんでいる樹姿が見え、ホッとします。




 (果樹加工 村田)