2022年12月28日水曜日

ギンバイカの実

  現在センター内のギンバイカに実が付いています。

 ギンバイカはフトモモ科の常緑低木で、6月から7月にかけて芳香のあるウメの花に似た雄しべが長く5弁の白い花が咲き、晩秋から冬にかけ黒紫色の果実が付きます。

 ハーブとして「マートル」とも言い、葉にも芳香があり肉料理などに利用されるようです。また葉から精油も取れるようです。

 私は食べたことがありませんが、黒紫色に熟した実も芳香と甘みがあり食べられるようです。

 

ギンバイカの実(2022年12月26日撮影)


ギンバイカの花(6月~7月頃)

 ヨーロッパでは昔から神聖な木とされ、結婚式で使用されていることから「祝いの木」とも言われています。


(造園樹木 本間)


2022年12月15日木曜日

彩るカリフラワー

 寒さがより一層厳しくなり、先日センターでも霜が降りました。

今回のブログでは、カリフラワーについてお伝えします。

現在、センターではスノークラウン、オレンジブーケ、バイオレットクイン、遠州あか花やさい、グリングリーンを栽培しています。


スノークラウンは、花蕾が白いカリフラワーです。適期栽培では定植後70日程度で収穫できる早生品種になります。生育旺盛で栽培が比較的容易です。大玉で緻密にしまり肉厚で品質に優れた品種になります。


オレンジブーケは、花蕾が淡いオレンジ色のカリフラワーです。中早生種になります。オレンジ色の花蕾はピーマン並のカロテンを含み、加熱調理後も変色が少なく食味がよいのが特徴です。


バイオレットクインは、花蕾が紫色のカリフラワーです。生育旺盛で早生品種になります。濃紫色の花蕾ですが、熱を加えると明るい鮮緑色に変化します。茹で汁が鮮やかな青色で綺麗です。











遠州あか花やさいは、花蕾が赤紫色のカリフラワーです。定植後100日前後で収穫できる中生種になります。ドーム状の形状で在圃性が高く、完熟して大型に育てるとやや扁平の形状になります。

グリングリーンは、花蕾が鮮やかな鮮緑色のカリフラワーです。定植後70〜80日に収穫できる中早生種になります。


生育に少々ばらつきがありましたが現在順調に収穫を行っています。

(蔬菜作物 笹沼)






2022年12月9日金曜日

西洋ナシの紹介②

今年もあと少しとなりましたが、今回は沼田農場で栽培されている西洋ナシを紹介します。


ぜひ、こちらもご覧下さい。

①https://kajusosai1.blogspot.com/2020/11/1.html

②https://kajusosai1.blogspot.com/2022/03/blog-post.html


①ゼネラル・レクラーク

果皮が黄金色の大玉品種です。やや酸味があり、果肉が軟らかいのが特徴です。



②バラード

山形県農業試験場で育成されました。西洋ナシ品種の中では糖度が最も高い品種です。



                                   佐々木(果樹)

2022年12月2日金曜日

ウリ科抑制栽培4

播種からお伝えしていましたウリ科抑制栽培のブログ、
いよいよ収穫となりました。

今回のブログでは、収穫果実についてお伝えします。

まずはメロンです。

9月上旬に交配受粉され、その後約55日で収穫予定でしたが、
今年の10月は天候も悪く気温も低かったので
収穫期がずれ込んでいました。

写真の果実(FRアムス)は11月中旬の収穫です。


天候が悪い中、果実はしっかり肥大してくれまして、
果重は2㎏弱ありました。


標準果重は1.5㎏くらいですから十分な肥大ですね。

試し切りをして糖度確認すると13度の糖度。
少し物足りないですね。15度は欲しいところです。

糖度の低さの原因は10月の天候の悪さと
養液栽培の培養液循環ポンプが漏電で止まってしまい、
地上部が萎れるアクシデントがあり、
その後の生育が思わしくなかった事です。


そんな時は、十分追熟させ、メロンの香りが強くなり、
持った時に弾力が出て来るまで待ちます。

そうすると、糖度の低さを感じさせないほど、
食味よく食べる事ができます。


次は小玉スイカです。
写真の果実(姫まくら)は果重1.8㎏ほど、
標準果重は2.0㎏ですので少し小ぶりの果実です。
果皮の艶も良く、縞がしっかり出ています。


試し切りしますと、
赤い可食部分が薄緑色の外果皮まであり、
果肉は「シャリ感」が強く仕上がりました。


しかし、ちょっと甘みが物足りないかと、
糖度を測ると11度。12度は欲しかったですね。

この原因も10月の天候の悪さからとなります。


それでも、形の揃った果実はそこそこ収穫出来ましたので、
良しとしましょうか。

次回、栽培する機会がありましたら、
甘みの強い果実を収穫したいものです。


以上、メロンと小玉スイカの抑制栽培を
播種から収穫までご紹介しました本ブログ、
今回が最後となります。

次回は真冬の時期の野菜栽培をご紹介いたします。

(蔬菜作物 榎本)











2022年11月25日金曜日

リンゴがいっぱい

 

11月も半ばを過ぎると、今の季節はリンゴが主役です。

当センター附属の農場が群馬県沼田市にあり、当地の職員が丹精込めて管理したリンゴを、センターの職員がトラックで柏まで運搬し、販売しています。








これは紅玉です。強い酸味はジャム加工に最適です。

センターでは既に2回、このリンゴを使ってジャム加工を行いました。






これはムツです。酸味・甘味・香りいずれも強くこの品種もジャム加工に適しています。ただ大玉になりやすく、味が落ちやすいので、加工には注意が必要です。
センターでは、ムツ単体だけでなく、キウイを加えてミックスジャムも作っています。









こちらは陽光です。生で食べると、甘味と酸味のバランスが良く非常に美味です。ですが、ジャムにすると甘味が強すぎてくどい味になってしまいます。今年はシナモンパウダーで味を調えてアップルシナモンジャムに加工しました。











これはぐんま名月という品種です。甘味と酸味のバランスが良くとてもおいしいリンゴです。蜜が入りやすいです。












そしてこちらはムーンルージュというリンゴです。
今後作付を増やす予定だそうです。











割ってみると果肉がきれいなピンク色をしています。
こういったきれいな色の果肉を生かしたジャムが作れないか
考え中です。ただこの品種は酸味がそれほど強くないので、生で食べたほうがよいのでは、と思います。










現在はフジの収穫が始まったばかりだそうです。
12月までリンゴの運搬は続きます。

櫻井(果樹・加工)







2022年11月18日金曜日

センター祭

去る11月3日
フィールドセンターでは
年に一度の「センター祭」が開催されました

当日はお天気にも恵まれ
絶好のイベント日和でした

蔬菜・作物グループの売り場は
正門を入ってすぐの、柏の木付近

ネギ・ハクサイ・ブロッコリー・キャベツ・ダイコン…
他にもたくさんの野菜やお米などを用意してスタンバイ
この日のために頑張って収穫しました

設営完了(嵐の前の静けさ)

開場した途端、あっという間に行列ができ
人の波が引きも切らず
用意した品物はおかげさまで完売いたしました

当日はお越しいただきありがとうございました

(蔬菜作物 山崎)

2022年11月14日月曜日

レモン鉢栽培 ~その後④~

  レモンの鉢栽培を始めてから1年半弱が経ちました。植え付け時に比べ枝葉もだいぶ成長し、春にはたくさんの花が咲きましたが、不完全花が多くどの位結実するのか心配でしたが、10月中旬と11月上旬に実った果実を収穫しました。

 今年は小さい果実も含めて全部で80個収獲する事ができました。昨年は3個しか収穫できませんでしたので、樹もだいぶ成長した事が伺えます。


2022年10月の様子

収獲まじかの果実(2022年10月上旬)

収獲した果実(2022年10月中旬)

柏の葉フィールドセンター産レモン

 来年は今年以上の収穫量を期待したいです。

(造園樹木 本間)

2022年11月11日金曜日

紅葉と柿

 寒さを感じるようになり、木々の紅葉も進んでいますが、今年もセンターでは柿の収穫を行っています。


柿の木が紅葉している様子


①平核無(渋柿)

日本で栽培されている渋柿では代表的な品種です。種が無く、甘味が強いのが特徴です。


②夕紅(甘柿)

扁平形の果実と赤みのある果皮が特徴の甘柿です。食味は果肉は硬く、果汁が多いです。

柿を2品種紹介しましたが、柿には渋柿と甘柿が存在します。渋柿は脱渋処理を行うことで渋が抜けますが、甘柿は成熟すると樹上で渋が抜けます。
渋柿の渋味の原因は果肉中のタンニン細胞の中にある「可溶性タンニン」という物質です。
タンニンとはポリフェノールの1種であり、口の中で舌のタンパク質と反応して渋味を感じさせます。脱渋処理は、タンニンを可溶性(水に溶ける)から不溶性(水に溶けない)に変える処理です。タンニンが可溶性から不溶性になることで、渋味を感じにくくなります。
ちなみに脱渋処理ではアルコール(主に35度程度の酒類)が使用されますが、脱渋時に果実中で生じるアセトアルデヒドがタンニンと結合し、不溶性(渋味を感じにくい)になるのです。
 
アルコールを使用した脱渋方法を前に紹介していますので、是非こちらもご覧ください。
・ https://kajusosai1.blogspot.com/2020/10/blog-post.html

                                佐々木(果樹・加工)




2022年10月25日火曜日

さつまいも準備中

涼しい風と高く澄んだ青空に、秋を感じるようになりました。
食欲の秋ということで、柏の葉キャンパスで採れた秋の味覚さつまいものご紹介

学生実習で5月に植え付けた「紅あずま」「紅はるか」「安納芋」「金時芋」「シルクスイート」5品種の収穫をしました。

収穫後にキュアリング処理を行い、土やひげ根取り除く出荷調整をして順次売店やセンター祭で販売をする予定です。
キュアリング処理をすることで、収穫時にできた傷を乾燥させ傷口からの病原菌の侵入を防ぎ貯蔵性を高めます。またその過程ででんぷんが糖に変わり甘みが増します。


紅あずま
関東地方で栽培される代表的な品種で収穫量が多いです。
繊維質が少なくホクホクねっとりした食感が特徴です。

紅はるか
病気に強く育てやすいので家庭菜園で栽培するにはおすすめです。
しっとりホクホクした食感で甘みが程良いのが特徴です。

安納芋
国内でさつまいも栽培に成功したのが種子島だそうで、食糧難の救世主として日本全国に広がることになりました。
非常に甘く、ねっとりした食感が特徴です。

金時芋
見た目が鮮やかな黄金色をしていて、栗のようなホクホクした食感があります。
色味がきれいなのでお菓子の材料などにもおすすめです。

シルクスイート
カネコ種苗で2012年に開発され新しい品種になります。新しい品種ではありますが焼き芋にしたときの食味の良さから人気な品種です。
その名の通り、絹のようにしっとり滑らかな舌触りが特徴です。

収穫したての写真でどれも同じように見えますが、、、品種ごとの特徴を気にしながら食べ比べてみるとまた一味違うかもしれません。

(蔬菜作物 笹沼)

2022年10月21日金曜日

ウリ科抑制栽培3

前回のブログでは、メロンとスイカの「花」の開花について
ご紹介しましたが、その後ミツバチにより交配、結実し、
果実は順調に肥大しています。

今回のブログでは、肥大した「果実」についてご紹介します。

まずはメロンからです。
交配後40日程になります。


肥大はほぼ終わり、アムス品種特有の縦に筋があり、
その間にはネットが発生しています。


収穫は交配後約55日ですので、あと2週間程でしょうか。
しかし、今年の10月は日照不足ですので、
あと2週間と言う訳にはいかなそうですね。


次は小玉スイカです。
地上部は、かなり繁茂しています。


今作はアブラムシに大変悩まされましたが、もうじき収穫です。


品種名の「姫まくら」の通り、まくら型に生育しています。
果実下にはシートを敷き、全面が着色するようにしています。

交配後の日数が収穫間近ですので、
そろそろ試し切りしてみたいと思います。
スイカもやはり日照不足ですので、収穫するタイミングが難しそうですね。

次回のブログでは、収穫の様子をお伝えできそうです。

(蔬菜作物 榎本)







2022年10月13日木曜日

深まる秋

 

あっという間に10月に入り、気候も秋めいてきました。

前回紹介したクルガンローズもほんのりとピンク色になってきました。酸味が落ち着いてきたら収穫です。







続いてこれはウィンクです。
既に収穫の真っ最中です。
皮ごと食べられる大粒のブドウです。











こちらはアレキ(マスカットオブアレキサンドリア)です。
以前は、マスカットといえばこのブドウを指していました。
種有りで独特の香りがある品種です。











そして最後はオリエンタルスターです。
赤紫色ですが、本来はもっと濃い紫色になります。
これも気候の温暖化の影響です。
収穫までもう少しです。

この品種の収穫が終わると、ブドウの季節も終了となります。
来年も環境の変化に対応しながら、品種の選定・栽培方法を検討して、より品質の良いブドウを育てていきたいです。


櫻井(果樹・加工)