2018年2月22日木曜日

今日もやってきます 2018

センター内には「クロガネモチ」という樹木が植栽されています。



下の画像のように、秋から冬に小さな赤い実をたくさんつけます。


この赤い実を食べに、あの鳥がやってくるのです。

そう、「ヒヨドリ」です。

今年の1月中旬まではまだ実はついていましたが、人の気配がない
土日の2日間で、ほとんど食べつくしてしまいます。


この状態です。1粒も見当たりません。

このクロガネモチと、野菜圃場の位置関係はこんな感じです。


クロガネモチを食べ尽くした途端、標的は露地野菜になります。


赤丸はヒヨドリです。
画像は写真を撮る私の気配を感じ、
ついばんでいる野菜から飛び立つところです。

そこでは、カリフラワーが・・・


葉をついばむだけでなく、おまけ(糞)を落としていきます。


実の無いクロガネモチを止まり木にしていますので、
追い払うのに近づくと一斉に飛び立ちます。


カメラに収まらないほどの数です。

しかし、今年は露地野菜の生育が順調で、例年より収穫が早く
終わったので、被害は少数で済みました。

けれども、ヒヨドリは生きるために今日もやってきます。

(蔬菜作物 榎本)




















2018年2月17日土曜日

剪定真っ最中

2月に入り、最も寒い時期ですが、果樹部門では剪定真っ最中です。

これはカキ(平核無)です。剪定する前の状態です。

剪定が終わった状態。かなり枝を減らします。

枝の状態です。上から1・2番目のふっくら大きい芽から枝が伸びて、花をつけます。なので、この部分を切ってしまうと花が咲かないので、実はつきません。

これは主枝の先端です。ここに花が咲くと枝が伸びないので、強く切ります。







先端に近い太目の枝も切りおとします。



上に上がってしまった強い枝、同じ方向に延びてしまった枝は、下の枝に光が当たらなくなってしまうので上の部分を切ります。



切り口が大きいと、癒合がうまくいかない時があるので注意します。



実をつける枝が少ないときは、このように少し強めの枝をひねって、ひびをいれて勢いを弱くすると、枝が落ち着いて管理しやすくなります。



混みやすい内側には、このように徒長した枝が多く残っています。



使いやすそうな枝を何本か残して、他は切ります。
どの枝に花が咲くか、また強くなりそうか、枝の性質を考えながら剪定するとうまくいくと思います。

櫻井(果樹・加工)




2018年2月9日金曜日

トマトの病害②

前回に引き続きトマトの病気を紹介します。
こちらは前回と同じハウスのトマトです。

収穫時期になりましたが葉が不自然に黄変しています…。
ピンときて、恐る恐る根を掘ってみると…

根がぶくぶくと膨れ上がっているのが分かります。
これはネコブセンチュウの仕業。


センチュウとは非常に小さな虫で
成幼虫ともウナギのような形をしており
体長は1mm弱で体色も透明に近いため肉眼での観察は不可能です。
ネコブセンチュウは分泌物で寄生部分の根の細胞をコブのように肥大させて
養分を吸収しながら繁殖します。


寄生が多くなると根部はコブだらけになって
生育が抑制され収穫量も落ちていきます。
被害が拡大すると、葉の黄変や萎れが見られついには枯れてしまいます。


トマトなどナス科の作物の他、ウリ科やマメ科、ニンジン、オクラなど
広範囲の作物に寄生するため、家や家庭菜園を行っている方には
お馴染みの病害でもあります。


センチュウの予防方法としては
他の土地との道具の使い回しを避ける、
センチュウの寄生した植物を持ち込まないようにする、
同じ場所で、同じ種類の野菜の連作を避ける…等があります。

土壌中に生息するセンチュウの退治は発生してからの対処では遅く
定植前に土壌消毒で行うのが一般的です。


当センターでも薬剤を用いた土壌消毒を行っているのですが
根絶はなかなかに難しいです。



(蔬菜作物 山崎)

2018年2月2日金曜日

ウバタマムシ

  昨年12月22日のブログで松の手入れについて紹介しましたが、まだ手入れは終わらず現在も他の仕事の合間に作業を行っている状況です。

  松の手入れをしていると、ここ3年位(以前から居たのかもしれませんが)ウバタマムシという昆虫を見かけます。
  最初見た時は名前がわからず、何となくタマムシの仲間かなと調べてみたら同種でした。

  ウバタマムシは、コウチュウ目タマムシ科の昆虫で、体長24㎜~40㎜、金銅色で背中には隆起した濃褐色の条があり、本州以南に分布している様です。成虫の発生期は6月から8月が多く、ご覧の様に成虫で越冬もしています。
  写真の様に松類の木に集まり、餌は松の葉を食べている様で、幼虫は松類の弱った材や枯れた材を食べている様です。





(上写真4枚、2017/12/19撮影 当センターにて)

 調べたところによりますと、ウバタマムシは東京都では絶滅危惧Ⅰ類、埼玉県、神奈川県では準絶滅危惧種に指定されているようです。
 当センター周辺もまだ少しは自然が残っていますが、マンション建設等開発が進んでおり、いずれはこういった昆虫が見られなくなってしまうのでしょうか...。

(造園樹木 本間)