2018年3月30日金曜日

時間との勝負

3月も下旬になり、サクラの花が目立つようになりました。
果樹部門では、最後のナシの剪定をおこなっています。


これはあきつきという品種です。2本主枝で、一番左側の枝と一番右側の枝を先端にします。
主枝から手前と奥に向かって伸びている側枝を配置して、そこに実(花)をつけるようにします。
主枝の先端です。上に伸びている枝を紐で棚に下げました。

一番強くて向きがよい枝1本の先端を強めに切って残し、競合する他の枝は切ります。

反対側の先端は、支柱を利用して下げました。
 
同じように、競合する枝を切ります。
 
手前の側枝は古くなったので、その奥の側枝を利用します。

手前の枝を切って、奥の枝を手前に誘引しました。

次の年以降に使えそうな枝があれば(予備枝)、誘引して準備しておきます。


この樹の剪定が終わりました。切り口に癒合剤を塗ります。
1日ごとに蕾が大きくなっていきます。時間との勝負です。

櫻井(果樹・加工)



2018年3月23日金曜日

春の訪れ


3月に入り一気に暖かくなってきました。
今年は桜の開花も早くなりそうです。

ふと気付くと圃場やハウスの周りも
ちらほらと草花が咲き始めました。


こちらはナズナ。
アブラナ科ナズナ属の越年草。ペンペングサ(ぺんぺん草)の名前で
よく知られています。シャミセングサ(三味線草)と云う別名もあるそうです。
田畑や道端など至るところに生えるお馴染みの植物です。


ホトケノザ
シソ科オドリコソウ属の一年草もしくは越年草。
春の七草の「仏の座」とは別種。
こちらは食用に向いていないとのこと。

オランダミミナグサ
ナデシコ科ミミナグサ属の一年草植物。
ヨーロッパ原産ですが、帰化植物として世界中に分布しています。
なお日本在来種であるミミナグサと言う植物もありますが
都市近郊ではオランダミミナグサの方が優勢のようです。



とても可愛らしい草花達ですが
ハウス周辺の雑草は病害虫の発生源になりやすいので
早い内に除草することになりそうです。

(蔬菜作物 山崎)

2018年3月16日金曜日

ハツユキカズラの種子と播種


 ハツユキカズラはテイカカズラの斑入り品種で、新葉がピンク色から白色になり、次いで白と緑の斑が入り古い葉は緑色になります。
 テイカカズラより葉が小さく、また節間が詰まってコンパクトな姿になるので、寄せ植えやハンギングバスケット、グランドカバーなどに多用されています。

 昨年の暮れに当センターの植物工場に勤めていらっしゃるNさんから、ハツユキカズラの種子を頂きました。私はハツユキカズラの種子を見るのは初めてで、そう言えば今まで花も見た事がなかったので、種子ができるとは思いませんでした。
 調べた所、ハツユキカズラは花が咲きにくい性質だそうで、種子ができるのも珍しいのでしょうか?

 種子は下の写真の様に、サヤエンドウの形をしたサヤの中にタンポポの綿毛、種子を大きくした様な状態で入っていました。種子を頂いた時は、すでにサヤが割れていて綿毛が風に乗って飛んで行きそうでした。

 そろそろ暖かくなって来たので、しばらく保管していた種子を先日蒔いてみました。
  

(ハツユキカズラ)
上の写真は、昨年挿し木をした時の写真。

(ハツユキカズラの種子1)
昨年の暮れ、頂いた時の状態。

(ハツユキカズラの種子2)
種子を蒔くためサヤから取り出した状態。
1サヤの中に約40粒入っていました。

(ハツユキカズラ播種1)
大きな綿毛は邪魔になったので取り除き、セルトレイに1粒づつ蒔いてみました。

(ハツユキカズラ播種2)
薄く覆土をしました。
覆土しない方が良いのかな?

Nさんは実生で殖やした場合、成木と同じに斑入りの状態で発芽するのか興味深々でした。

それではうまく発芽する事を願って・・・。
発芽したらまたご報告したいと思います。


(造園樹木 本間)





2018年3月8日木曜日

この時期のネギの出荷と保存方法

この時期の露地野菜の出荷品目に「根深ネギ」があります。何回かブログにも登場しました。


15年くらい前までは「春ネギ」「夏ネギ」「秋冬ネギ」とほぼ周年に根深ネギを出荷していましたが、春や夏は根深ネギは直売所ではあまり売れずに、現在は「秋冬ネギ」のみとなりました。
 最近では表皮を剥いた剥きねぎで販売しています。表皮を剥いた状態です。

 
表皮を剥いたネギは4~5本で、重さ500グラム台になるようにします。


ネギ用の出荷袋に詰めて、シーラーでとめたものを1袋200円で販売します。


次にネギの保存方法を紹介します。できるだけまっすぐに立てるように容器に入れます。

ネギの上には、このようにぬれ新聞をかぶせたり 


 
あるいはビニール袋をかぶせて


冷蔵庫に入れて保存します。表皮を剥いた場合は1週間~10日くらいは鮮度のいい状態で保存ができます。

ちなみにこのように泥を軽く落とした状態で、日光に当たらないところに立てて置いておけば、一か月くらいは保存ができます。




ネギは植物の性質上、反り返りやすいため、どの方法でも「まっすぐに立てる」ことがポイントです。


  


                                              (蔬菜作物 中村)



2018年3月2日金曜日

熱川農場とマーマレード   “since 1956”

今年も 年明け 寒のさなか
マーマレードをつくりました

以前は初夏に作っていましたが
実習の都合や
原材料の夏みかん・橙の品質から
冬期の製造となりました

















千葉大学のオレンジマーマレードは
伊豆の熱川農場で栽培された果実を原料に
1956年(昭和29年)頃から加工をはじめたとのこと

経緯は
退官された小倉教授(園芸学部農産製造学研究室)
より伺いました















製造方法はその頃のまま
工程は3日ほど
手間のかかる作業です

まず 水洗い
汚れやほこりなど 丁寧に流します
















次に分割
 
果頂部 果底部を切りわけ
残った果実部分を4分割にします














分割した果実は
果皮と果肉に分けます

皮を破らないよう ていねいに
















果皮はフライサーで
0.8mmほどの厚さに スライス

油胞が破れ 香りが広がります
リモネン」という精油成分からでしょうか

















スライスした果皮は
2回ほどゆでこぼし 水分を切り
『ボイル果皮』 に

果皮に含まれる
ナリンギン」 「リモノイド」 などの苦み成分を抜き
食味を柔らかくするための処理です
















皮のスライスと並行で
果肉部分を絞り
『果汁』と 絞った果肉に分けます

絞った果肉は 2回の換水煮沸をして
クエン酸液で30分程度の煮沸後
裏ごしをして 
『ペクチン液』 を抽出します




















ボイル果皮
ペクチン液
果汁

以上3点を 計量し
砂糖を加え 煮込みます
左から、ボイル果皮・果汁・ペクチン液


















煮つけ 充填 殺菌脱気
風乾冷却と作業をすすめ
















無事終われば・・・
試食タイム

みな笑顔です^^
















製品前の仕上げは ラベル貼り

ひとビン ひとビン
チェックしながらの手作業です


昔ながらの製造方法は
効率的ではありませんが

変えない技術もあっていいのかと・・・、

熱川農場本館
















Since 1956

60数年続いた
熱川農場産のマーマレード
熱川農場閉鎖により 柏産へと変わる予定です

なんともいえない気持ちです

(果樹加工 むらた)