2017年7月27日木曜日

メロン栽培 その④

メロン栽培、その④です。
前回のブログでは、5月30日に果実の表面にネットが出てきた頃でした。
あれから2週間後の6月13日の写真です。


 6月13日

ネットがしっかり出て、メロンらしくなって来ました!。

それから2週間後です。

 6月27日

見た目は変わりませんが、順調に成長しています。

次はそのまた10日後の写真です。

 7月7日

果実の上から出ている葉が、他の葉より枯れているようになっています。
これは順調にメロンが育っている証拠。
しっかり果実が養分を引っ張っていて、近くの葉が養分不足のように
なっていきます。

さぁ 収穫です!

前回のブログでもお伝えしましたが、今回の品種「タカミ」は、
交配後55日が収穫時期です。

しかし、栽培時期の気候が晴れ続きだったり、曇天日が多き年などで、
収穫時期が55日より前後します。

センターでは交配後の日数ではなく、果実が落ちそうになる寸前まで、
熟させて収穫します。

メロンから出される、「収穫しないと落ちてしまう~」の限界の合図は、
果梗(かこう)の付け根に白い線が出て、メロンから離れようとする
「離層」ができてきます。


7月14日

離層を赤い線でなぞってみます。

 7月14日

この離層が出てきたら、収穫の合図です!

 7月14日

はい!採れました~

重さは2㎏ほどありました!

4日ほど常温で追熟し、切ってみました。

 7月18日

おおお~

糖度計で測りましたら、14度の糖度がありました!
まずまずでしょうか。

食べる前に冷蔵庫へ入れ


では、いただきま~す!

今回栽培しました「タカミ」は、現在センター直売所「緑楽来」で
好評販売中です!

もしかすると、ブログをアップした頃には売り切れの場合がありますので
ご了承ください。

(蔬菜作物 榎本)













2017年7月21日金曜日

夏のはじまり

7月に入り、暑い日が続いています。
雨が少ないのが心配ですが、果物たちは何とか生長しています。

これは、八里(やさと)というナシです。青ナシで、甘味と酸味がちょうどよく、食べやすい品種。

こちらは、あきあかりという赤ナシです。名前にあきとつきますが、お盆前後には収穫できる、酸味が少ないナシ。

裂果した豊水ナシにカブトムシ(雌)がいました。
センターでは、最初に若光という赤ナシから収穫がはじまり、幸水・豊水と続きます。

こちらは、バッファローというブドウ。最初に袋かけをした品種です。8月のはじめに収穫予定です。

これは、ブラックビートです。まだ赤色ですが、名前の通り黒くなる巨峰系のブドウです。
こちらは、赤色になるゴルビーです。日焼け防止のため笠をかけてあります。
これは、クルガンローズです。今回はじめて実がつきました。どう変わるのか楽しみです。
ブドウは今、袋かけの真っ最中です。

ヤブキリ(雌)も成虫になりました。蛾やセミを食べてくれるので、役にたつ虫です。夏が来た!て感じがします。
 
櫻井(果樹・加工)

2017年7月14日金曜日

園研オープンデー

6月16日、園研のオープンデーを見学してきました。
「園研」とは千葉県松戸市にある園芸植物育種研究所の略称。


園研は園芸植物の調査・収集・利用技術の開発及び
園芸植物の品種改良や栽培技術などの研究を行っている機関です。

こちらでは年に一度「オープンデー」という名で、
野菜品種の育成成果の見学会が開催されています。


16日は農業・園芸関係者向け、17日は一般向けということで、16日にお邪魔しました。
蔬菜・作物部門ではトマト類・メロン・カボチャ等、こちらの品種を栽培しているので
実際の生育状況を見ることは大変参考になります。


①メロン、②カボチャ、③トマト、④パネル展示、⑤ピーマン類と
栽培作物ごとに展示ハウスが分かれています。


パネル展示のハウス。
試食コーナーも併設されていました。
メロンの展示ハウス。
播種日や定植日、施肥量等が細かく
表示されています。
タカミ。
ビレンス。
タカミ・ビレンスはフィールドセンターでも
栽培しています。
カボチャの展示ハウス。
トマトの展示ハウス。
このミニトマトは「べにすずめ」という品種。
ピーマン類の展示ハウス。
メインは色とりどりのカラーピーマン。
接ぎ木苗の紹介も。
試食コーナーも充実していました。
オープンデーでは講演会も行われています。
今回は都合がつかず参加できませんでしたが
機会があれば伺ってみたいと思います。

・園芸植物育種研究所…http://www.enken.jp/

(蔬菜作物 山崎)

  
 

2017年7月7日金曜日

樹木の挿し木

ムシムシ、ジメジメの日が続き、梅雨らしい天気が続きますね。
今の時期は、樹木の挿し木の適期でもあります。

   挿し木とは、枝、茎、根など植物の一部を切り取り、挿し床に挿して不定根、不定芽を発生させ、独立した一個体にする繁殖方法の一つです。

   挿し木の利点は、母木と同一の形質の個体が得られ、技術的に簡便で、一度に多数の個体を殖やせます。また実生苗に比べて、生育、開花、結実が早いことなどがあげられます。
逆に欠点は、実生や接ぎ木苗に比べて浅根性になりやすく、寿命の短いものがあったり、挿し木困難な樹木もあります。

   挿し木の時期は、樹種により若干違いますが、一般に休眠期の3月~4月上旬、新芽が出揃った梅雨時の6月下旬~7月上旬、秋挿しの9月~10月に行います。
   挿し穂は、3月~4月の春挿しは前年枝、梅雨挿し、秋挿しは当年枝または前年枝を少し付けた充実した枝を使用します。
   挿し床は、赤玉土、鹿沼土、川砂、バーミキュライト、水苔などの用土を単用または混合して用いますが、保水性や排水性が良く、清潔な用土を使用してください。

別科造園樹木専攻の実習で行ったサラサドウダンで、挿し木の手順を紹介します。

(挿し穂の採取)今年伸びた充実した枝を採取します。

(穂木の調整1)おおよそ10cm~15cm位の長さに切ります。

(穂木の調整2)差し込む部分の不要の葉と、蒸散を抑えるため、下部半分から2/3位の葉を取り除きます。

こんな感じで葉を取ります。葉が大きな樹種は残った葉を半分に切り取ります。

(穂木の調整3)基部をナイフでV字にきれいに切り返します。

写真では分りづらいですが、両面を返し切りにします。

(穂木の調整4)基部を切り返したら水に浸け、十分吸水させます。

(発根促進剤)発根を促すためオキシベロンという粉剤を使用しています。
その他ルートン粉剤やオキベロン液剤などの発根促進剤があります。

(挿し床と挿しつけ)挿し床は、鹿沼土単用を使用しています。
粒が揃っていないものは、ふるいを掛け大きな粒を下に入れてください。
挿し床に挿しつける前に、基部にオキシベロン粉剤を付けます。

(挿しつけ)挿し床に下部3cm弱位をしっかりと挿しつけます。
挿しづらい時は棒などで挿し穂と同じ位の穴を開けて挿しつけます。

(その他の樹種の挿し穂)挿し穂の調整例です。
左からフェイジョア、ビックリグミ、ジューンベリー、ヒメウツギ、サツキ、ツツジです。

(挿し木後)挿し木後は、雨風の当たらない寒冷紗等で遮光した場所に置きます。
センターではハウス内のミスト装置がある場所に置きます。

(ミスト装置)タイマーでミスト(霧)を噴霧し、植物体からの蒸散を抑えてあげます。

今年は16樹種ほど挿し木しました。

後は、元気良く発根します様にと願うばかりです。

発根しやすい樹木は30日程で発根してきますが、少し根が伸びて落ち着いた頃の3か月後位に、それぞれ発根の様子を見て、またこのブログでご報告したいと思います。


(造園樹木 本間)