2022年1月28日金曜日

キウイフルーツの追熟

  前々回、前回はキウイフルーツの収穫について話しましたが、今回はキウイフルーツの追熟についてです。

 実はキウイフルーツは収穫してすぐに食べることが出来ません。美味しく食べるには、収穫後の「追熟」が必要です。ブドウやニホンナシ等の多くの果実は、樹上で果実が成熟するため、収穫後には追熟をせずに食べることが出来ます。しかしキウイフルーツは樹上では完全に成熟しないため、収穫後に成熟させます。これを追熟といいます。追熟中には果実中のデンプンが分解されて、糖に変化します。また、追熟を促す物質として「エチレン(植物ホルモンの1つ)」があります。しかし、キウイフルーツはエチレンを生成しにくいため、追熟時にはエチレン生成作用のある果実追熟材剤を使用します。

 それでは実際に行っている追熟の流れを紹介します。

①平たいコンテナに果実を2段重なる程度まで入れます。追熟剤も用意します。写真のコンテナの果実量なら、追熟剤を2袋用意します。


②コンテナを丸ごと大きめのポリ袋に入れます。追熟剤の袋に5か所の貫通穴を空けます。


③追熟剤を袋の中のコンテナに入れます。また、エチレンが漏れないように袋を密閉します。密閉したら、15~20℃の環境でで7~9日程保管します。


④7~9日経過後に果実を軽く握って、少しへこんだなら、食べ頃(追熟完了)です。


ちなみに家庭で追熟を行う場合は、キウイフルーツをリンゴ(エチレン生成作用があるため追熟剤として使用可能)と一緒にポリ袋に入れて、先程と同様の環境で追熟させるのがおすすめです。


                                                  佐々木(果樹・加工)

                             










2022年1月21日金曜日

中玉トマト栽培始まってます!

今年もハウス内で、中玉トマトの栽培が始まっています。
作型は半促成栽培で、昨年の10月4日に播種し、第一花房が開花するまで育苗、
12月1日に学生実習で定植しました。

今回のブログでは、現在の生育の様子をお伝えします。

栽培品種はイエローホープ、フルティカ、オレンジオーレの3品種で、
品種名からも分かるように、果皮色が黄色、赤色、橙色と3色を選びました。

      
イエローホープ          オレンジオーレ
フルティカ

果実が実って着色しないと、違いが分かりませんね。
肝心の花房は現在、第四花房まで開花が始まっています。

第一花房
大きいもので、ミニトマトくらいの大きさです。
9果着果しているのが分かります。

第二花房
分かりづらい画像ですが、大きいものでパチンコ玉ほどの大きさです。
8花目がまだ開花しています。

第三花房
開花中ですね。
これから開花する蕾もあります。

第四花房
一花、開花しています。
3花目が開花したらホルモン処理を行い、着果を促します。

昨年の栽培では22段花房まで栽培しましたので、
蔓下ろしを適宜行いました。

誘引紐の長さが6段花房分ほどしかなかったので、
主枝が伸びるにつれて紐をずらしていましたが、
この作業が結構大変でして。

今年は蔓下ろし専用の誘引具を取り入れましたので、
蔓下ろし作業が容易にできるようにしました。
作業の効率化と省力化ですね。

中玉トマトの栽培は、7月頃まで予定しています。
これからが栽培管理、収穫調整作業が忙しくなってきます。


(蔬菜作物 榎本)

















 







 



2022年1月14日金曜日

ジャム加工の季節

 

1月に入り、果樹加工部門ではジャム加工が本格的になってきました。昨年10月から、ブドウ・リンゴ(紅玉)・リンゴ(つがる)・リンゴ(ムツ)・シナモン(リンゴムツ)・シナモン(リンゴジョナ)・イチジク・キウイリンゴミックス・・・ときて、現在甘夏・文旦のマーマレードの加工を行っています。左の画像は、昨年加工したヤマモモのジャムです。

今回は加工場で使用している加工機器の一部を紹介します。





これは、クラッシャーです。名前の通り細かく砕く機械です。
リンゴ・ブドウ・キウイ等を砕くのに使用します。














スイッチを入れると、この刃が回転して砕き、細かくなった原料が下から出てきます。













これはパルパーです。裏漉しをする機械です。ブドウ・甘夏・文旦を裏ごしするのに使用します。







上下2段構造になっていて、このように網目の大きさが違うカバーを通して裏漉しを行います。








続いてこちらはスライサーです。名前の通り、皮をスライスする機械です。現在甘夏と文旦の皮のスライスに使用しています。












画像のように、くちばしのような入口に皮を入れていくと、中の刃がついた盤が回転して、スライスされた皮が下から出てくる仕組みです。











そして実際に煮つけを行う蒸気窯です。蒸気の熱で煮つけを行うので、焦げ付くことはほとんどありません。













最後に、蒸気を作るボイラーです。ここでできた蒸気が配管を伝って上の窯のところまで運ばれて加工を行っています。
この後もしばらくジャム加工は続きます。

櫻井(果樹・加工)