2017年1月27日金曜日

トマトの接ぎ木


接ぎ木第二弾は「トマトの接ぎ木」の紹介です。
トマトの接ぎ木もキュウリと同様、病害を回避する目的で行います。
(「キュウリの接ぎ木」についてはこちらをご覧ください)。

接ぎ木は昨年(2016年)125日に行いました。

 台木は病害に対して抵抗性のある品種のトマトを用います。
(台木:グリーンガード(20161116日播種))

(穂木:桃太郎ピース(20161118日播種))

 甘みと酸味のバランスがほど良い食味のトマト。
 黄化葉巻病(TYLCVイスラエル・マイルド両系統)に
 安定した耐病性を示す品種です。

 

★接ぎ木方法

トマトの接ぎ木には「スーパーウィズ」という器具を使用します。

(トマトだけでなくナス・ピーマンの接ぎ木にも用いられます)。
 いくつかサイズがあり茎の太さに合わせて使い分けています。

 
台木と穂木は幼苗斜めあわせ接ぎを行います。
①カミソリを用いて台木と穂木を地際から切取る(写真は穂木)
②台木の子葉より上の部分を30°に切り、切り先をスーパーウィズに差し込む
③穂木の子葉より上(もしくは下)の部分を、台木と同様30°に切る
④台木の切り口と重なるよう、穂木をスーパーウィズの中に差し込む
⑤④を培養土を詰めた128穴セルトレイに挿していく
(セルトレイは充分に水を含ませておく)

以上、こちらも神の手を持つ北条先生による実演でした。
 
⑥このセルトレイを湿度100%の状態になった養生BOXへ入れる

この接ぎ木方法ではキュウリと同様、台木と穂木を断根して挿し接ぎしています。
発根には10日から2週間ほどかかります。

その後しばらく苗テラス内で養生させ、1226日にガラス温室へ移植しました。

 
(蔬菜作物 山崎)

2017年1月19日木曜日

ヤニサシガメ

今の時期、造園樹木の作業ではマツのもみあげ(葉むしり)や枝透かしなどの手入れを行っている所ですが、マツの幹に取り付けてある樹木ラベルプレートの裏を見ると変な生き物が・・・。


マツの幹に付けた樹木ラベル裏で越冬するヤニサシガメの幼虫
(2017年1月11日)

生き物の正体は、ヤニサシガメの幼虫です。
ヤニサシガメはカメムシ目サシガメ科の昆虫で、主にアカマツ、クロマツの樹上で生息し、普通のカメムシと違い肉食性で小型昆虫などを捕食しています。

マツではマツカレハの幼虫(マツケムシ)などを食べてくれる良い虫(益虫)でもあります(まだ実際にマツケムシを食べている所を見たことがありませんが・・・)。

今の時期はマツ、スギ、ヒノキなどの樹皮裏、上の写真のプレート裏などの様な場所に集団で越冬しています。


ヤニサシガメの成虫
(2012年5月28日)

ヤニサシガメの体表面は粘着性の物質で覆われており、触るとベトベトします。調べた所によりますと本当に松ヤニや針葉樹のヤニを体に塗りつけているらしいです。

実際に越冬中で丸まっていた幼虫の背中を触ってみると指にくっついてきます。そのまま手の上に置いて様子を見ていたら動き出してしまいました。動きはあまり早くないです。


動き出したヤニサシガメの幼虫
(2017年1月11日)

注意:
サシガメ類は鋭い口吻を獲物に突き刺して体液を吸う様で、人にも刺す場合があるので(痛いらしい)むやみに触らない方が良いかもしれません。


(造園樹木  本間)

2017年1月11日水曜日

センターで栽培しているネギ(秋冬ネギ)




冬も本番、鍋物などに欠かせない野菜にネギがあります。センターでは秋11月から冬2月までの期間、ネギを収穫・出荷しています。品種は‘夏扇二号’や‘冬扇二号’を栽培しています。
収穫時期のネギです。


収穫するときはネギの側を浅く掘ります。
 
収穫したネギは枯葉を取り除き、緑の葉を3枚位残します。泥ネギで出荷するため表面の皮などはむかずに残します。
 
 
調整したネギは1.1~1.2㎏になるようにパッケージしています。一袋のネギの本数は太いもので4~5本、細めのもので6~7本位となります。
 
 

最後にネギ用出荷袋に詰めて、1袋200円で販売します。売店で出荷する他、市場にも出荷しています。  ネギは周年に栽培・出荷されますが、気温の低くなる冬の時期は美味しさが増し、おすすめの野菜です。                                                                      

                                             (蔬菜作物 中村)

2017年1月1日日曜日

春を待つ芽 ~ただいま休眠中~

頌春
本年もよろしくお願い致します。

冬至を過ぎ、日は少しづつ長くなってきましたが
小寒間近、寒さはこれからが本番かと・・・、

りん片に包まれ、春を待つナシの芽




落葉果樹はただいま休眠中、春の目覚めに備え、眠りについています。
休眠には ‘寒い冬’ が大事となります。
(樹種によって違いはありますが、冬期に一定の低温条件にならないと、
春の萌芽が不ぞろいとなります)
もこもことした特徴のあるキウイの芽


キウイの芽をほぐしてみました^^
もふもふした綿毛がいっぱい詰まっていて、暖かそうです。
どんどん出てきます。


















寒い中、果樹の栽培において大切な作業のひとつが、せん定(整枝剪定)です。
樹形を整え、芽数を調整し、残した芽に養分を集約します。
カキの芽。先端から2~3のふっくらした芽から
伸びる枝に花が咲き果実が着きます。

















ブドウやキウイなどのつる性の果樹は大寒くらいまでにせん定を終えないと、
切り口からの樹液が止まりづらいため、作業を急ぎます。
ブドウの芽。萌芽し伸びた枝に花が咲きます。
















ふくらみを増してきたウメの芽。
そろそろ開花でしょうか
白い花弁を覗かせたウメの蕾



















寒い中、せん定は上を見上げながらの作業となります。




上空のすじ雲を背景にひこうき雲・・・、
   寒気の中、ハサミを持つ手を早めます。


果樹加工(村田)