マツの幹に付けた樹木ラベル裏で越冬するヤニサシガメの幼虫 (2017年1月11日) |
生き物の正体は、ヤニサシガメの幼虫です。
ヤニサシガメはカメムシ目サシガメ科の昆虫で、主にアカマツ、クロマツの樹上で生息し、普通のカメムシと違い肉食性で小型昆虫などを捕食しています。
マツではマツカレハの幼虫(マツケムシ)などを食べてくれる良い虫(益虫)でもあります(まだ実際にマツケムシを食べている所を見たことがありませんが・・・)。
今の時期はマツ、スギ、ヒノキなどの樹皮裏、上の写真のプレート裏などの様な場所に集団で越冬しています。
ヤニサシガメの成虫 (2012年5月28日) |
ヤニサシガメの体表面は粘着性の物質で覆われており、触るとベトベトします。調べた所によりますと本当に松ヤニや針葉樹のヤニを体に塗りつけているらしいです。
実際に越冬中で丸まっていた幼虫の背中を触ってみると指にくっついてきます。そのまま手の上に置いて様子を見ていたら動き出してしまいました。動きはあまり早くないです。
動き出したヤニサシガメの幼虫 (2017年1月11日) |
注意:
サシガメ類は鋭い口吻を獲物に突き刺して体液を吸う様で、人にも刺す場合があるので(痛いらしい)むやみに触らない方が良いかもしれません。
(造園樹木 本間)