2016年9月30日金曜日

刺されると痛いです

お彼岸も過ぎ朝夕だいぶ涼しくなってきましたが、少し涼しくなったとは言え、まだ樹木にはいろいろな害虫が発生する時期でもあります。

現在フィールドセンター内で発生しているヒロヘリアオイラガは、イラガという 「ガ」 の幼虫ですが、イラガは毒棘を持っており、その棘に触れると 「ビリビリ、チクチク」 と激しい痛みがあります。
別名 「デンキムシ」 とも言います。私も今までに剪定作業中、何度か刺された事があります。

ヒロヘリアオイラガは外来種で、もともと西日本地方に多く見られた様ですが、近年関東地方でも見られる様になり、当フィールドセンターでもここ数年で良く見られる様になりました。

被害樹木はサクラ、カエデ類、カシ類、ヤナギ類、ケヤキ、キンモクセイ、カキ、ナシ、ウメ、ザクロなど多くの樹種に発生しますが、当フィールドセンターではこの他、西洋ベニカナメモチ‘レッドロビン’、カツラ、クロガネモチなどにも発生しています。今年はサンゴジュにも発生しました。


■カキノキに発生したヒロヘリアオイラガ


若齢~中齢幼虫期は集団で生活し、葉裏に固まって葉を食害します。
葉肉だけを摂食するので、被害葉は網目状になります(2016年9月14日)。





幼虫は大きくなると単独で行動し、食害が葉全体に広がっていきます。
でかーっ!体長が30㎜位ありそう(2016年9月25日)。




ひどくなると、この様に葉が食べつくされ、ほぼ主脈だけが残った様になります。




灰褐色や茶色の硬い楕円形の繭を作り、その中で越冬します。
写真の繭はすでに羽化後の抜け殻ですが、穴の開いていない繭を見つけたら、冬期のうちに潰しておきましょう(繭やさなぎにも毒毛がある様なので、素手では触らない様、注意してください)。



■サンゴジュに発生したヒロヘリアオイラガ


(2016年9月25日)



ご覧の様に、イラガは葉の裏に潜んでおり気付かずに触ってしまう事がありますので、葉に食害痕がないか気を付けて見ておきましょう。

勇気のある方は触ってみては!!



(造園樹木担当 本間)