2017年9月14日木曜日

色めく果実、雑感



 「白露」  も過ぎ 
朝夕、涼しくなってきましたが
大学は9月いっぱい夏休み

講座ごとの夏期実習がつづきます


ブドウの収穫実習(食糧資源経済学科2年)

ニホンナシ、ブドウがメインになりますが
収穫の際、熟期のめやすとなるのは
果実の着色具合です




ブドウ 「巨峰」 (センター植栽)

他にも、熟期のめやすには
香り、軟度、透明感などありますが
着色が一般的になるかと




ニホンナシ 「幸水」 (センター植栽)

着色の判別基準の説明には苦労します

カラーチャートもありますが
果面の着色は一様でなく
光の具合もあり
学生にとっては、判別の難しい作業となります

果実カラーチャート (農林水産省果樹試験場基準)





‘みらくる’ での当日販売を考慮し
果実ごとの着色を例に
その都度、収穫基準の‘目合わせ’ をします

ニホンナシ 「豊水」 (センター植栽)





果実の着色は
色素である
「アントシアニン」「カロチノイド」などの増加によります
これらの色素は糖からつくられますので
着色は糖の蓄積具合のめやすのひとつになるかと




色素いっぱいのクワの実 (センター内に自生) 

着色を生物的にみると
鳥や獣たちの目につきやすい色素を
合成し、ひきつけ、
種子を広めてもらうためなんだろうと想像できます




ルビー色のヤマモモ 「瑞光」 (センター内植栽)

見方を変えれば
種子が熟すまでは、食べられたくないわけです

生育途中の果実は、ほほ緑色
葉と同色による、保護だけでなく
葉緑体での光合成も行い
強い光からの防御など
関心するほどの工夫がなされています




カキ 「平核無」 (センター植栽)

開花から、数か月の生育日数を費やし
雨風や病害虫など
たくさんの障害を乗り越えた果実のみが
無事、熟期を迎えることになります

本来、熟した果実は
種子を媒介してくれるものたちへの
ご褒美なんでしょうね^^



鳥?につつかれたカキ 「松本早生富有」 (センター植栽)

そんな自然の恵みを
経営として栽培するためには
計画的に、独占的に、
得ようとしている私たちです




実習後の楽しみ 試食

謙虚に、感謝の気持ちで
    おいしい、旬の果実を
        味わいたいと思います

(果樹加工 むらた)