今年も技術職員ブログをよろしくお願いいたします
今回はまた、ミツバチのお話しです。
以前、メロンの交配でご紹介しましたミツバチですが、現在はイチゴの交配を
頑張っています。
センターでは学生の実験で小規模ですが、イチゴの養液栽培をしています。
こちらはイチゴの花です。
白い花弁が5枚で、その内側には黄色い「葯」の見える雄しべがあり、
中央の薄黄色く半球状で細かく点々があるのが、雌しべの「花床」です。
この花床の細かく黄色い点々一つ一つが雌しべの柱頭で、
周囲の雄しべの花粉がまんべんなく交配されるとイチゴの粒々となり、
(粒々は「そう果」と言い、種子を含んだ果実です)
そう果がしっかり出来ることにより花床が肥大し、形の良いイチゴになります。
交配不良でそう果がしっかり出来ていないと、花床が肥大せず下の画像のように
形の悪いイチゴ(奇形果)になってしまいます。
そこで登場するのが、ミツバチによる交配です。
花粉を求めて花床の周りをクルクルと回り、しっかり交配してくれて、
奇形果の発生もほとんどありません。
また、この時期に室内でプランターなどでイチゴを栽培している方は、昆虫による
交配が期待できないので、絵の具の筆などを使って交配していただくと
形の良いイチゴが収穫出来ます。
方法は、花床を中心にミツバチの動きのように筆先をクルクルと回します。
しかし、栽培の規模が広いと筆での交配は労力がかかり、奇形果も出やすいので、
やっぱり働き者のミツバチには感謝です!。
(蔬菜作物 榎本)