2019年8月23日金曜日

クズ

 クズはマメ科クズ属の蔓性の多年性植物で、成長が早く蔓は10メートル以上に伸び樹木などに巻き付き覆い尽くしてしまい、樹木が枯れたり枝が曲がったりすることもあります。
 
 繁殖力旺盛で地上部を刈り取っても地下に根茎が残っており、すぐに蔓が再生してしまうので、非常に厄介な植物でありますが、地下部の根は肥大した長芋状の塊根となり多量のデンプンを含み、葛餅などで使用する葛粉や「葛根」として解熱やせき止め、風邪などの漢方薬として利用されています。
 またクズの蔓の繊維部分を利用して「葛布(くずふ)」という原料になるようで、静岡県掛川市の特産になっているようです。

樹木を覆い尽くしたクズ

クズの葉
葉は三出複葉で幅広く大きく、葉の裏面は白い毛を密生して白色を帯びています。
地下茎から伸びた木質化した蔓
クズの花
花は8~9月に咲き、穂状花序が立ち上がり濃紫色の甘い芳香がある花を咲かせます。

 クズの呼び名は昔の大和の国(奈良県)の国栖(くず)という所が葛粉の産地であったところから命名されたらしく、漢字の「葛」は漢名から付けられたようです。
 
 またクズは秋の七草の一つでもあります。
ちなみに秋の七草は、「萩(はぎ)」、「薄(すすき)」、「桔梗(ききょう)」、「撫子(なでしこ)」、「葛(くず)」、「藤袴(ふじばかま)」、「女郎花(おみなえし)」です。



(造園樹木 本間)