モモクリ3年、カキ8年・・・、
種を播いてから実がなるまでの
年数の例えですが
昨今、果樹の苗木のほとんどは
「接ぎ木」によるもので
2~3年で結実し
早々の食味が可能です^^
「取り木」や「挿し木」など
果樹を繁殖させるにはいろいろとありますが
「接ぎ木」について少々・・・、
接ぎ木終了
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まずは‘穂木’の保蔵です
休眠期に採取し
湿らした新聞などで包み
ビニールで密封
低温(冷蔵庫など)で保管しておきます
接ぐ枝を「穂木」(ほぎ)、「接ぎ穂」(つぎほ)などといいます
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‘台木’も同じくらいの太さがあれば大丈夫
時期は台木の芽が動きだしたら適期です
接がれる側を「台木」(だいぎ)といいます
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つぎに、よく切れるナイフを用意
今回のような‘切接ぎ’には
‘切り出しナイフ’を使います
よく研いでおきます
接ぎ木とは
穂木と台木の‘形成層’を密着させる技術です
接着面が平らになるように切るのがコツです
削った穂木は乾かないよう
水を張ったバケツに入れておきます
切断面外側よりおおまかに、表皮・形成層・木部となります
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今回の穂木はりんごの‘M9長野’
台木は‘マルバ’です
台木を接ぐ予定の高さ(10cm)で切ります
クリなどは耐寒性を考慮し
かなり高い位置で接ぐ場合があります
穂木の断面に合わせ
台木を切り込み密着させます
仕上げのポイントは、固定です
接ぎ木用のテープでしっかりと固定します
動かないよう、
雨水が入らないよう、
穂木の頂部切断面には‘癒合剤’を塗布します
接ぎ木での‘活着’は
台木と穂木との切断面に形成される
‘カルス’の癒合によってはじまります
活着していれば、しばらくして芽が動きます
接ぎ木の利点のひとつは
すでに生長している植物(台木)から
養水分の吸収能力のある根系を利用できるため
活着後の生育が旺盛となることです
現在では、接ぎ木用のテープがあり
接ぎ木は難易な技術ではありません
古(いにしえ)のテープが無かった時代
先人の苦労が想像できます
接ぎ木は苗木の繁殖のみでなく
病害虫への抵抗性を向上させたり
品質を向上させたり
いろいろな効果を期待できます
カキの品種、‘平核無’に‘大核無’を芽接ぎ
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枝ごとに異なった品種の果実を着けたり
楽しみながらの利用もいいかと
(果樹加工 むらた)