2018年2月9日金曜日

トマトの病害②

前回に引き続きトマトの病気を紹介します。
こちらは前回と同じハウスのトマトです。

収穫時期になりましたが葉が不自然に黄変しています…。
ピンときて、恐る恐る根を掘ってみると…

根がぶくぶくと膨れ上がっているのが分かります。
これはネコブセンチュウの仕業。


センチュウとは非常に小さな虫で
成幼虫ともウナギのような形をしており
体長は1mm弱で体色も透明に近いため肉眼での観察は不可能です。
ネコブセンチュウは分泌物で寄生部分の根の細胞をコブのように肥大させて
養分を吸収しながら繁殖します。


寄生が多くなると根部はコブだらけになって
生育が抑制され収穫量も落ちていきます。
被害が拡大すると、葉の黄変や萎れが見られついには枯れてしまいます。


トマトなどナス科の作物の他、ウリ科やマメ科、ニンジン、オクラなど
広範囲の作物に寄生するため、家や家庭菜園を行っている方には
お馴染みの病害でもあります。


センチュウの予防方法としては
他の土地との道具の使い回しを避ける、
センチュウの寄生した植物を持ち込まないようにする、
同じ場所で、同じ種類の野菜の連作を避ける…等があります。

土壌中に生息するセンチュウの退治は発生してからの対処では遅く
定植前に土壌消毒で行うのが一般的です。


当センターでも薬剤を用いた土壌消毒を行っているのですが
根絶はなかなかに難しいです。



(蔬菜作物 山崎)