2018年6月8日金曜日

ケムシに注意!

  新葉も茂って暖かい季節になると、いろいろなケムシもたくさん発生してきます。

・マツカレハ(マツケムシ)
  5月中は松の緑摘み作業を行いましたが、マツカレハが意外といました。

松などの針葉を食害。(当センター内、クロマツ)

  幼虫は4月~6月、8月~10月の1~2回発生しますが、終齢幼虫の4月~6月の被害が大きく、時に大量発生して樹木が枯れてしまうことがあります。
  終齢幼虫の体長は大きいもので75㎜になる事があり、胸部の毛には毒針毛あり刺されると痛い様です。
  アカマツ、クロマツの他モミ、ヒマラヤスギ、カラマツなどにも発生します。背部は暗褐色なのでマツ類の幹部や枝にいても分かりづらいですので、気を付けましょう。

・チャドクガ
  ツバキ、サザンカ、チャなどのツバキ科の樹木などに発生します。

ツバキの葉を食害しているチャドクガ。(近くの公園で)

 幼虫、成虫、まゆ卵塊に触れると激しいかゆみを感じます。直接触れなくても食害した跡の葉に残った毒針毛、風で飛んできた毛でもかゆくなることがあります。
 幼虫は4月~10月の年2回発生し、老熟幼虫は体長約25㎜、黄褐色で全面に褐色の小斑があります。下の写真の様に葉の表面や裏側に並んで葉を食害し、被害が大きいと木の大部分が丸坊主になることがあります。 
 見つけ次第、毛虫に触らない様に枝ごと切り取って、焼却処分しましょう。また発生前に剪定を行い枝透かしをして通風を良くすることで発生を少し抑えられますが、発生してしまうと後の剪定作業に手間が掛かってしまうので、センターでは部分的に農薬散布も行っています。

・アメリカシロヒトリ
  戦後、アメリカから侵入したものと推定され、日本全国に大きな被害が出ています。サクラ、プラタナス、カエデ、ハナミズキ、ヤナギ、ポプラ、カキ、リンゴなど多くの樹木に発生します。

3齢幼虫位まで巣網を作り、集団で葉を食害します。(当センター内、カエデ)


幼齢中は巣網を作り、葉の表皮と葉脈を残し葉肉のみ食害するので白く透けた様になり、遠くからでもよく目立ちます。
(当センター内、カエデ)

 普通年2回発生し、幼虫は6月~7月と8月中旬~9月中旬に現れます。3齢幼虫位までは葉に巣網を作り集団で葉肉のみ食害し、被害葉は白くかすれた様になり遠くからでも目立ちます。その後巣から出て分散し、単独で葉を食害します。この時期は葉脈まで食べるので被害樹は丸坊主にされることがあります。この毛虫に触っても人体に影響はないですが、アレルギー反応を示す人がいる様です。
 大きな被害にあうと樹が衰えたり見栄えが悪くなったり、また糞で樹の周りが汚くなったりしますので、見つけ次第、できれば幼齢虫の集団でいる時に枝ごと切り取って焼却処分しましょう。とは言っても、樹の高い所にも発生しますので、その場合はやはり農薬の散布をします。

(造園樹木担当 本間)