2019年2月22日金曜日

樹木の冬芽

 今回はセンター内の樹木(落葉樹)の冬芽を少し取り上げてみました。冬芽は樹種によっていろいろな形をしていますので、樹木の名前を覚えたり、判別するのに参考になる部分です。

 皆さんは下記の写真をみて樹木名が分かりますか?今回はクイズ形式にしてありますので、当ててみてください。正解は一番下に書いてあります。
  
 少し語句の説明をしますが、冬芽とは花芽と葉芽の総称で冬芽の外側を覆っている皮を芽鱗といいます。芽鱗に包まれた冬芽を鱗芽といい芽鱗に包まれていない冬芽を裸芽といいます。また枝の先端部分の芽を頂芽といい、枝の途中にある芽を側芽といいます。


①頂芽部分の花芽です。花芽は大きく軟毛で覆われています。4月上旬位に紫色の花が咲きます。 



②頂芽です。細長く皮質の芽鱗で包まれています。槍のようですね。5月~6月に黄白色の大きな花が咲きます。



④頂芽は半球形か三角錐に近い形の冬芽もあります。良く街路樹に植栽されています。また実は茶碗蒸しなどに入っています。

⑤紡錘形で平たく数枚の芽鱗で包まれていますが、剥がれやすく裸芽になっている場合があります。右側の茶色で裂けているものは種子が入っていた蒴果です。6月~7月にツバキに似た白い花を咲かせます。

⑥芽鱗が剥がれやすく、写真のように帽子を被っているような状態か、裸芽の状態の冬芽もあります。ツツジ科の樹木で樹皮が剥がれ樹肌が滑らかになります。




正解:①モクレン、②ホオノキ、③ベニバナトチノキ、④イチョウ、⑤ナツツバキ、⑥リョウブ



(造園樹木  本間)

2019年2月12日火曜日

この時期の温室のトマト

暦の上では春になりましたが、まだまだ寒い日が続きます。今回のブログでは暖かいガラス温室内のトマトやミニトマト・中玉トマトの状況を紹介します。
 これはトマト類(トマト・ミニトマト・中玉トマト)を栽培している温室の入り口の表示です。表示のようにトマト類をはじめ、メロンやキュウリをローテーションで栽培しています。


 これは温室の中の様子です。向かって右側が中玉トマト、左側がミニトマトです。


 この3ベッドはトマトです。すべての種類で最初の花房の花が咲き始めました。


これはミニトマトで品種は“千果”です。 


 同じミニトマトですが、こちらは果実が黄色の“イエローミミ”です。


こちらは中玉トマトで品種は“シンディースイート”です。その名の通り、甘味の強い品種です。

こちらはおなじみのトマトの花で、品種は“桃太郎ピース”です。

一口にトマト類といっても、花の咲き具合などは品種で違うことがわかるかと思います。

いずれの品種も開花後60日前後で収穫できる状態になります。気温によっても変わりますが4月上旬からの収穫・出荷となります。この時期の野菜類は出荷品目が少ないため、収穫が楽しみです。



                                     (蔬菜作物  中村)





2019年2月8日金曜日

39年目の冬に

千葉大学に採用され
39年目の冬

ちらほらと咲き始めた
ウメをせん定中です



伸びた枝から
一年の生長を確かめ
全体を眺めます



ひと枝ひと枝 間引いたり
あるいは 切り返しながら
樹形を整えます



ひと息ついて 全体を見回すと
幹の太さにあらためて
歳月の経過を感じます



『園芸学部附属農場』 から
『環境健康フィールド科学センター』 へ

名称も組織も変わり
慌ただしくなりましたが
樹々は 泰然自若


齢を重ねた 樹をみていると



樹を育てていたつもりでしたが
樹に育ててもらっていたんだと感じます^^


(果樹加工 むらた)










2019年1月30日水曜日

メロンのあとは青梗菜

私のブログでは、11月にメロンの抑制栽培が終わりました。
このハウスでの次の栽培は、春播きのメロンを3月のお彼岸あたりの定植で予定しています。
しばらく養液栽培の設備が空きますので、何か栽培を始めようかと思います。


栽培期間が長い野菜はダメですので、何か葉物野菜でと考えました。


そこで、青梗菜(チンゲンサイ)を思いつきました、ちなみにチンゲンサイの栽培を
日本で最初に確立したのは、柏市内にある農家さんですので、柏市での栽培も
盛んな野菜となっております。


12月3日、200穴のセルトレイに播種しました。
写真は播種後18日の苗です。定植適期を迎えました。


定植はメロンの栽培後の培地を、そのまま使います。
メロンの残った根株を取り除き・・・


12月21日、根株あとの間に2株ずつ植えていきます。


一週間後、12月28日です。


根が活着し、葉が広がって見えます。

次は年明け1月2日です。


茎が太くなってきました。

1月7日です。


これくらいだと、もうミニチンゲンサイで食べられそうですね~。

1月11日です。


葉が丸みをおびて、大きく広がってきました。

1月18日です。


播種後7週目でもう形はチンゲンサイですね。
これから草丈も伸びて株元はもったりと膨らみ、
チンゲンサイ本来の形になっていきます。


あと10日くらいで収穫開始でしょうか。
次のブログの時は収穫が終わっているかもしれませんが、
立派に育ったチンゲンサイの収穫を、ご紹介できればと思います。

(蔬菜作物 榎本)





















2019年1月25日金曜日

冬真っ只中

1月も中旬を過ぎ、寒さも本格的になってきました。
果樹部門では剪定の真っ最中です。

ガラス温室のイチジクです(ドーフィン)。元から2芽を残して切り返していきます。切り口には癒合剤を塗布します。

樹を植え付けてから10年以上たっているので、若い枝に更新しています。

こちらは、ブドウ(ピオーネ)です。短梢剪定をおこないます。普通ブドウをこのように強く切り返すと枝ばかり伸びて、花が咲いても花ぶるいをして、結実せずに落ちてしまいます。そのために、植物ホルモン(ジベレリン)を使って強制的に結実させます。

ブドウも、元から2節の芽を残して切り返します。

これはカキ(平核無)です。これから剪定をおこないます。一番先端の大き目の芽から、春に枝が伸びてにその枝に花芽がつきます。ですから、この部分を剪定の時に切ってしまうと実はとれません。
今年はサクラの開花時期が昨年より早くなるという情報がありました。剪定も早めに終わらせたいものです。

櫻井(果樹・加工)

2019年1月18日金曜日

コマツナ


2019年の1月も気がつけば半ばを過ぎました。
外は真冬の寒さですが温室の中は
ポカポカと暖かく
野菜がすくすくと育っています。
 水耕栽培の温室では様々な野菜を栽培していますが
今回はその中から“コマツナ”に
ついて紹介したいと思います。
コマツナ(小松菜)は「ツケナ」の一種。
ツケナとはアブラナ科アブラナ属に分類される
結球しない葉菜類のことでチンゲンサイやタアサイなども
この仲間に含まれます。
コマツナは江戸時代に現在の江戸川区小松川で作られていたので
この名前がついたとされていますが
今では幅広い地域で栽培されています。

栄養価が高くクセの無い味で食べやすいのが魅力で
お浸しや野菜炒めの具など幅広く使えるため
緑楽来でも年間を通して人気があります。
水耕栽培での播種から収穫までの日数は
夏期で4週間ですが
冬期だと56週間ほどと栽培期間が長くなります。
(蔬菜作物 山崎)

2019年1月16日水曜日

冬の野菜畑・水田

1月も下旬に入り、寒さも厳しくなりました。今回はこの時期の露地の畑や水田を紹介します。

これは前回のブログにも登場したハクサイです。寒さの厳しい中でも収穫は続いています。順調に収穫・調整が進んで、残り少なくなりました。
寒さで結球した部分が傷まないように、ひもで外葉を縛っています。
これは水田の状態です。すじ状に草が生えているのがわかるかと思います。

これはすじ状の部分を拡大した画像で、冬の時期に水田で緑肥用に栽培しているライ麦が発芽をし始めて、冬越しをしているところです。



これは秋冬ネギです。11月上旬~2月下旬にかけて収穫時期で、今年の冬は例年よりも緑の部分が枯れずに残っています。
11月に収穫が始まったころには、向かって右側の道の手前まであった秋冬ネギも順調に収穫・調整が進んで、残り半分になりました。

収穫が終了した露地の畑は耕うんして、春からの野菜の栽培に備えます。


寒さの厳しいこの時期、露地の出荷品目は少なくなりますが、ハクサイやネギなどといったこの時期ならではの冬野菜の収穫・出荷が続きます。



                                          (蔬菜作物 中村)