2018年3月16日金曜日

ハツユキカズラの種子と播種


 ハツユキカズラはテイカカズラの斑入り品種で、新葉がピンク色から白色になり、次いで白と緑の斑が入り古い葉は緑色になります。
 テイカカズラより葉が小さく、また節間が詰まってコンパクトな姿になるので、寄せ植えやハンギングバスケット、グランドカバーなどに多用されています。

 昨年の暮れに当センターの植物工場に勤めていらっしゃるNさんから、ハツユキカズラの種子を頂きました。私はハツユキカズラの種子を見るのは初めてで、そう言えば今まで花も見た事がなかったので、種子ができるとは思いませんでした。
 調べた所、ハツユキカズラは花が咲きにくい性質だそうで、種子ができるのも珍しいのでしょうか?

 種子は下の写真の様に、サヤエンドウの形をしたサヤの中にタンポポの綿毛、種子を大きくした様な状態で入っていました。種子を頂いた時は、すでにサヤが割れていて綿毛が風に乗って飛んで行きそうでした。

 そろそろ暖かくなって来たので、しばらく保管していた種子を先日蒔いてみました。
  

(ハツユキカズラ)
上の写真は、昨年挿し木をした時の写真。

(ハツユキカズラの種子1)
昨年の暮れ、頂いた時の状態。

(ハツユキカズラの種子2)
種子を蒔くためサヤから取り出した状態。
1サヤの中に約40粒入っていました。

(ハツユキカズラ播種1)
大きな綿毛は邪魔になったので取り除き、セルトレイに1粒づつ蒔いてみました。

(ハツユキカズラ播種2)
薄く覆土をしました。
覆土しない方が良いのかな?

Nさんは実生で殖やした場合、成木と同じに斑入りの状態で発芽するのか興味深々でした。

それではうまく発芽する事を願って・・・。
発芽したらまたご報告したいと思います。


(造園樹木 本間)





2018年3月8日木曜日

この時期のネギの出荷と保存方法

この時期の露地野菜の出荷品目に「根深ネギ」があります。何回かブログにも登場しました。


15年くらい前までは「春ネギ」「夏ネギ」「秋冬ネギ」とほぼ周年に根深ネギを出荷していましたが、春や夏は根深ネギは直売所ではあまり売れずに、現在は「秋冬ネギ」のみとなりました。
 最近では表皮を剥いた剥きねぎで販売しています。表皮を剥いた状態です。

 
表皮を剥いたネギは4~5本で、重さ500グラム台になるようにします。


ネギ用の出荷袋に詰めて、シーラーでとめたものを1袋200円で販売します。


次にネギの保存方法を紹介します。できるだけまっすぐに立てるように容器に入れます。

ネギの上には、このようにぬれ新聞をかぶせたり 


 
あるいはビニール袋をかぶせて


冷蔵庫に入れて保存します。表皮を剥いた場合は1週間~10日くらいは鮮度のいい状態で保存ができます。

ちなみにこのように泥を軽く落とした状態で、日光に当たらないところに立てて置いておけば、一か月くらいは保存ができます。




ネギは植物の性質上、反り返りやすいため、どの方法でも「まっすぐに立てる」ことがポイントです。


  


                                              (蔬菜作物 中村)



2018年3月2日金曜日

熱川農場とマーマレード   “since 1956”

今年も 年明け 寒のさなか
マーマレードをつくりました

以前は初夏に作っていましたが
実習の都合や
原材料の夏みかん・橙の品質から
冬期の製造となりました

















千葉大学のオレンジマーマレードは
伊豆の熱川農場で栽培された果実を原料に
1956年(昭和29年)頃から加工をはじめたとのこと

経緯は
退官された小倉教授(園芸学部農産製造学研究室)
より伺いました















製造方法はその頃のまま
工程は3日ほど
手間のかかる作業です

まず 水洗い
汚れやほこりなど 丁寧に流します
















次に分割
 
果頂部 果底部を切りわけ
残った果実部分を4分割にします














分割した果実は
果皮と果肉に分けます

皮を破らないよう ていねいに
















果皮はフライサーで
0.8mmほどの厚さに スライス

油胞が破れ 香りが広がります
「リモネン」という精油成分からでしょうか

















スライスした果皮は
2回ほどゆでこぼし 水分を切り
『ボイル果皮』 に

果皮に含まれる
「ナリンギン」 「リモノイド」 などの苦み成分を抜き
食味を柔らかくするための処理です
















果皮のスライスと並行で
果肉部分を絞り
『果汁』と 絞った果肉に分けます

絞った果肉は 2回の換水煮沸をして
クエン酸液で30分程度の煮沸後
裏ごしをして 
『ペクチン液』 を抽出します




















『ボイル果皮』
『ペクチン液』
『果汁』

以上3点を 計量し
砂糖を加え 煮込みます
左から、ボイル果皮・果汁・ペクチン液


















煮つけ 充填 殺菌脱気
風乾冷却と作業をすすめ
















無事終われば・・・
試食タイム

みな笑顔です^^
















製品前の仕上げは ラベル貼り

ひとビン ひとビン
チェックしながらの手作業です


昔ながらの製造方法は
効率的ではありませんが

変えない技術もあっていいのかと・・・、

熱川農場本館
















“Since 1956”

60数年続いた
熱川農場産のマーマレード
熱川農場閉鎖により 柏産へと変わる予定です

なんともいえない気持ちです

(果樹加工 むらた)

2018年2月22日木曜日

今日もやってきます 2018

センター内には「クロガネモチ」という樹木が植栽されています。



下の画像のように、秋から冬に小さな赤い実をたくさんつけます。


この赤い実を食べに、あの鳥がやってくるのです。

そう、「ヒヨドリ」です。

今年の1月中旬まではまだ実はついていましたが、人の気配がない
土日の2日間で、ほとんど食べつくしてしまいます。


この状態です。1粒も見当たりません。

このクロガネモチと、野菜圃場の位置関係はこんな感じです。


クロガネモチを食べ尽くした途端、標的は露地野菜になります。


赤丸はヒヨドリです。
画像は写真を撮る私の気配を感じ、
ついばんでいる野菜から飛び立つところです。

そこでは、カリフラワーが・・・


葉をついばむだけでなく、おまけ(糞)を落としていきます。


実の無いクロガネモチを止まり木にしていますので、
追い払うのに近づくと一斉に飛び立ちます。


カメラに収まらないほどの数です。

しかし、今年は露地野菜の生育が順調で、例年より収穫が早く
終わったので、被害は少数で済みました。

けれども、ヒヨドリは生きるために今日もやってきます。

(蔬菜作物 榎本)




















2018年2月17日土曜日

剪定真っ最中

2月に入り、最も寒い時期ですが、果樹部門では剪定真っ最中です。

これはカキ(平核無)です。剪定する前の状態です。

剪定が終わった状態。かなり枝を減らします。

枝の状態です。上から1・2番目のふっくら大きい芽から枝が伸びて、花をつけます。なので、この部分を切ってしまうと花が咲かないので、実はつきません。

これは主枝の先端です。ここに花が咲くと枝が伸びないので、強く切ります。







先端に近い太目の枝も切りおとします。



上に上がってしまった強い枝、同じ方向に延びてしまった枝は、下の枝に光が当たらなくなってしまうので上の部分を切ります。



切り口が大きいと、癒合がうまくいかない時があるので注意します。



実をつける枝が少ないときは、このように少し強めの枝をひねって、ひびをいれて勢いを弱くすると、枝が落ち着いて管理しやすくなります。



混みやすい内側には、このように徒長した枝が多く残っています。



使いやすそうな枝を何本か残して、他は切ります。
どの枝に花が咲くか、また強くなりそうか、枝の性質を考えながら剪定するとうまくいくと思います。

櫻井(果樹・加工)




2018年2月9日金曜日

トマトの病害②

前回に引き続きトマトの病気を紹介します。
こちらは前回と同じハウスのトマトです。

収穫時期になりましたが葉が不自然に黄変しています…。
ピンときて、恐る恐る根を掘ってみると…

根がぶくぶくと膨れ上がっているのが分かります。
これはネコブセンチュウの仕業。


センチュウとは非常に小さな虫で
成幼虫ともウナギのような形をしており
体長は1mm弱で体色も透明に近いため肉眼での観察は不可能です。
ネコブセンチュウは分泌物で寄生部分の根の細胞をコブのように肥大させて
養分を吸収しながら繁殖します。


寄生が多くなると根部はコブだらけになって
生育が抑制され収穫量も落ちていきます。
被害が拡大すると、葉の黄変や萎れが見られついには枯れてしまいます。


トマトなどナス科の作物の他、ウリ科やマメ科、ニンジン、オクラなど
広範囲の作物に寄生するため、家や家庭菜園を行っている方には
お馴染みの病害でもあります。


センチュウの予防方法としては
他の土地との道具の使い回しを避ける、
センチュウの寄生した植物を持ち込まないようにする、
同じ場所で、同じ種類の野菜の連作を避ける…等があります。

土壌中に生息するセンチュウの退治は発生してからの対処では遅く
定植前に土壌消毒で行うのが一般的です。


当センターでも薬剤を用いた土壌消毒を行っているのですが
根絶はなかなかに難しいです。



(蔬菜作物 山崎)

2018年2月2日金曜日

ウバタマムシ

  昨年12月22日のブログで松の手入れについて紹介しましたが、まだ手入れは終わらず現在も他の仕事の合間に作業を行っている状況です。

  松の手入れをしていると、ここ3年位(以前から居たのかもしれませんが)ウバタマムシという昆虫を見かけます。
  最初見た時は名前がわからず、何となくタマムシの仲間かなと調べてみたら同種でした。

  ウバタマムシは、コウチュウ目タマムシ科の昆虫で、体長24㎜~40㎜、金銅色で背中には隆起した濃褐色の条があり、本州以南に分布している様です。成虫の発生期は6月から8月が多く、ご覧の様に成虫で越冬もしています。
  写真の様に松類の木に集まり、餌は松の葉を食べている様で、幼虫は松類の弱った材や枯れた材を食べている様です。





(上写真4枚、2017/12/19撮影 当センターにて)

 調べたところによりますと、ウバタマムシは東京都では絶滅危惧Ⅰ類、埼玉県、神奈川県では準絶滅危惧種に指定されているようです。
 当センター周辺もまだ少しは自然が残っていますが、マンション建設等開発が進んでおり、いずれはこういった昆虫が見られなくなってしまうのでしょうか...。

(造園樹木 本間)